そんななか、米国のウースター工科大学の研究者らの間では、少量の血液で転移性のがんを特定するという画期的な検査手法が注目を集めている。
・少量の血液で転移性のがんを検出可能
必要な血液の量はわずか0.85ミリリットル程度だ。実験では、少量の血液から100~1000個の細胞を捕捉することに成功。
既存のデバイスによるマイクロ流体学的アプローチと比べても、はるかに効率的な手法であることが証明済みである。
・独自に開発したチップを使用
検査に使用するのは、研究者らが独自に開発したチップだ。チップはがん細胞から発するタンパク質「エキソソーム」を手がかりに、転移性のがんの初期症状を迅速に検出する。
複数のがんに対応
チップの表面上には直径3ミリメートルほどの無数の窪みがある。窪み部分にはそれぞれ、抗体がカーボンナノチューブに付着した状態で存在しており、複数のがんを特定できるようになっている。
・電気反応によってがんを検出
採取した血液をチップの窪み部分に流し込むと、より悪性度の高いがん細胞が窪み部分の底に沈み、がん細胞の遺伝子マーカーに基づき抗体と結合。その後、抗体と結合したがん細胞に電気反応が起こり、電子によってがんが検出される仕組みとなっている。
Worcester Polytechnic Institute