これまでの利用者は延べ20億人を超え、その乗車履歴はすべてデータで蓄積されている。
そこで、Uberでは、2017年1月、これらの交通データを公開するオンラインプラットフォーム「Uber Movement」を開設した。
・データ解析により交通の流れやヒトの移動パターンを可視化
「Uber Movement」では、Uberがサービス開始以来、約6年半にわたって蓄積してきた膨大なデータを匿名で分析し、交通の流れやヒトの移動パターンの解析に活用。
都市部における交通インフラの改善や都市計画の策定などに広く役立てるのが狙いだ。
任意の場所から場所への移動時間にフォーカスした仕組みとなっており、時間帯や曜日、月によって、移動時間の変動を見たり、傾向を比較できる。
「Uber Movement」は、現在、ユーザー数を限定して公開しているが、近々、一般公開する方針。
行政機関や議会、研究機関など、都市づくりにかかわる様々な組織での利用を見込んでいる。
・オンデマンド型配車サービスが都市の交通状況を把握する“センサー”に?
「Uber Movement」と同様の動きとしては、2016年12月、世界430都市を網羅する「Easy Taxi」、東南アジアを中心に展開する「Grab」、フランスの「Le Taxi」のオンデマンド型配車サービスプロバイダー3社が、世界銀行と提携。
オンデマンド型配車サービスを通じて収集した交通データをオープンソース化する取り組みをすすめている。
オンデマンド型配車サービスがモビリティ手段のひとつとして普及するにつれて、その“副産物”である乗車履歴データが、交通インフラの改善やモビリティサービスの最適化にますます役立てられていきそうだ。
Uber Movement