あけましておめでとうございます。昨年からはじまりましたこの連載も第3回目となります。本年もよろしくお願い致します。
さて、新年を迎え、スタートアップの皆様も様々な目標を抱いていらっしゃることと思います。そこで、投資、IPO、M&Aなど、スタートアップの皆様が一度は思い描く将来に際して、避けては通れないデューデリジェンスについてご紹介させていただきます。
デューデリジェンスとは
デューデリジェンス、いわゆるデューデリとは、ある行為者の行為結果責任をその行為者が法的に負うべきか負うべきでないかを決定する際に、その行為者がその行為に先んじて払ってしかるべき正当な注意義務及び努力のことで、転じて投資やM&Aなどの取引に際して行われる、対象企業や不動産・金融商品などの資産の調査活動をいいます。
誤解を恐れずに簡単に言うと、投資やM&Aをする際、対象企業に対して事前に行う健康診断のようなものです。
デューデリは、経営面、税務面、法務面などについて行われますが、今回は法務面に限ってご紹介いたします。
健康診断の準備?
皆様、健康診断の前にはどのような準備をしますか?直前だけお酒を控えたり、食事量を減らしたりした経験はございませんか?
でも、そのような直前の間に合わせでは、いい数値は出ないことが多いですよね?デューデリも同じです。例えば、法務デューデリにおいては、過去数年間の一定の取引に関する契約書などの書類を監査したりします。
つまり、投資やM&AやIPOの直前になって慌てて対策しても、健康診断、すなわち、デューデリでいい結果を出すことは難しいのです。
どうやって準備する?
では、どのように準備するべきなのでしょうか。それは、健康診断で定期的に病院に通い、お医者さんにアドバイスをもらうように、弁護士に定期的に相談し、法的な監査を受けるべきです。法務デューデリを行うのも弁護士なのですから、普段から弁護士の監査を受け、法的に健康な状態になるためには、普段からどのような準備をすべきなのかについてアドバイスをもらうのが一番効果的なのです。
ただ、お医者さんにも取扱分野の違いがあるように、弁護士の中には、デューデリをしている弁護士と、していない弁護士もいるので、相談する際はデューデリをしている弁護士に相談するのがいいでしょう。
次回以降は、少しずつ注意すべき点をご紹介していきます。
弁護士 山本
前回の連載
【弁護士に聞くスタートアップ2】弁護士を付けるのはビジネスを拡大するため!攻めの法務、契約書の重要性