20年前、ネットでの売買は当たり前ではなかった
Q1:20年の間eBayがIT 業界で確立した地位を保ち続けられた理由を教えて下さい。
eBayファウンダーであるピエール・オミダイアが約20年前に前身となるウェブサービス「AuctionWeb」を立ち上げました。当時、ピエールがサービスを立ち上げる時に語った思い"dedicated to bringing together buyers and sellers in an honest and open marketplace."
(buyersとsellers、双方に正直で開かれてマーケットプレイスを提供することに捧げる)は、今のeBayにも受け継がれています。この思いを共有できているからこそ、今日の発展があると思っています。
見知らぬ人同士がネットで売買を行うことは、現在は当たり前のことですが、20年前、ファウンダーのピエールが人を信じてウェブベースのオークションサービスを始めたことは、大きな一歩であったと思っています。
売り上げが10年で1600倍に
Q2:20周年の歴史の中で会社の転換期とエピソードを教えて下さい。
eBayには、大きな転換期が2つあると思っています。1つ目の転換期は、1998年3月Meg WhitmanをCEOとして招聘しビジネスが急成長した時です。彼女がeBayに参画した当時、従業員数はわずか30人程度、通年売上は470万ドル(約5.5億円)でした。2008年1月MegはCEO退任しますが、eBayは、従業員数1万5,000人超、通年売上77億ドル(約9036億円)の「成長が最も早い企業」と言われるまでの企業に成長しました。また、eBay初となる買収はMegがCEOに就任した1998年7月に実施されています。
2つめの転換期は、2015年7月に実施したPaypalの分社化です。PayPalの分社化により、eBayがBuyersにとっても、sellersにとっても、真に開かれたマーケットプレイスとなるための投資できる環境が整いました。その例として、eBayは、世界初のVR百貨店開店や、AIによるパーソナル・アシスタントが可能となる「ShopBot」(ベータ版)などをローンチしました。eBayは、より便利に楽しくショッピングできるよサービスを開発し、Eコマースの未来形を常に発信していきたいと考えています。
Q3:創業時のメンバーはどれくらい残っていますか?
正確な人数はわかりませんが、数十人はいると思います。最初の従業員であるChris Agarpaoは、創業2年目の1996年にeBayに入社しましたが、今もeBayで活躍しています。
京都市と共同プロジェクトも
Q4:これから日本市場でどのような存在に成長していきたいとお考えですか?
日本においては「越境EC」のサポートをしています。日本からの出品はグローバルで高い人気を誇る商品がたくさんあります。特に、中古ブランド品、伝統工芸品や民芸品、アニメのフィギア、自動車部品などがあります。イーベイ・ジャパンでは、Sellersへの販売コンサルティングを行っています。また、様々なパートナーと協業し、越境ECを行う上で対応が難しい国際物流や在庫管理、翻訳業務など新たな流通チャネルとして、eBayでの「越境EC」を選択していただきやすい環境やサービスを提供しています。
2016年8月には『小売・製造業者 海外展開支援プロジェクト』を開始しました。まずは京都市とともに、日本を訪れた外国人が自国に帰ったあとも、京都の民芸品や伝統工芸品を購入できるしくみづくりに取り組んでいます。具体策としては、eBay.com上に、京都市で作られている民芸品や伝統工芸品を集めた特設ページを創り、商品だけではなく、歴史や伝統に関しても深掘りしたコンテンツを入れ、Buyersが京都の工芸品や伝統工芸品に興味関心が持てるようなページを作っています。
(取材・文 テッペートダ)
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