そんなとき、ぜひ利用したいのが、この「toco(トコ)」だ。情報提供者は、各地域の住人たち。一般のサイトやタウン誌ではお目にかかれない、町のリアルな情報が満載されている。
これまでにない密な地域コミュニティサイトを考案したのは、2007年創業のソリッドシード。同社システム開発部、開発リーダーの斎藤氏に、話を聞いた。
・地域の“今”がわかるリアルな情報サイト
Q1:まずは、このようなサービスを提供するに至ったきっかけから、お聞かせください。
居酒屋やレストランなどの飲食店やレジャー施設、電化製品の評価は日常当たり前のように見られていて、実物とイメージが違うというような大きな失敗は少なくなりました。店舗側もユーザーからの評価で気づかなかった点を改善し、より良いサービスを、提供できるようになったところもあると思います。
転勤や移住で住む場所を変えるときにも、同じように地域の評価があれば、引っ越す前にどのような地域か把握することが可能です。「少しでもイメージしていたものとのギャップを埋めたい」と考えたのがきっかけです。
Q2:「toco」とは、どんなサービスなのでしょうか。
地域の情報は、不動産屋や役所のホームページからも取得できますが、提供者も限られ、内容も少ないのが現状です。「toco」では実際に住んでいる人、あるいは住んでいた人から情報が提供されます。さまざまな価値観を持った多数の提供者によって成り立っているため、タイムリーな生の声を聞くことができます。
(これまで)どんな地域か知りたくても、遠くて行けないために把握できなかったり、調べても情報がなかなか見つけられなかった状況を、「toco」によって変えることができるのです。
・各地域の活性化に貢献したい
Q3:従来の地域情報サイトとの決定的な違いは、どこにあるのでしょうか。
他のサイトは、お店の口コミや観光ガイドをメインに情報を掲載してますが、「toco」では、地域をメインにしています。
今住んでいる人、住んでいた人の情報から地域の雰囲気がわかるので、引っ越す前の情報収集に役立ち、移住後のギャップを埋めるツールにもなり得ます。地域独特のローカルな情報もあり、今まで住んでいる人しかわからなかった内容も、掲載されています。
Q4:今後の展開について、教えてください。
皆さまのご要望にお応えして、今後もさまざまな機能を追加していく予定です。例えば、「道のコンクリートがはがれているので直してほしい」「街頭の電球が切れている」といった住民の声を、役所に要望できる町の改善掲示板を設置し、住民と自治体の架け橋になれれば、と考えています。
また、「知らなくて残念な思いをした」人が多い行政のサービスや、サポート制度を知る場としても活用してもらい、移住後の満足度向上につなげたいと思います。「toco」を通じて、住んでいる人の評価で街が改善され、地域の活性化につながっていってほしいと願っています。
地域の本当の姿がわかる「toco」。今住んでいる町の魅力を、再発見できるかもしれない。
(取材・文 乾 雅美)
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