店内では、人気デバイスのデモンストレーションや各種ワークショップを開催。多彩な体験を通して、IoTへの理解を深めてもらうことを目的としている。
日系企業初の快挙を成し遂げたMM Mobile, Inc。COOの新崎 千裕(しんざき ちひろ)氏に、店舗にまつわるさまざまな話を聞いた。
・日本での実績を評価され出店承認を獲得
Q1:海外モバイルレンタルを展開する御社が、「Smart Store」をオープンした理由は何でしょうか。きっかけと経緯について、お聞かせください。
ITや通信技術を通じて、お客さまの日々の生活をより便利で幸せなものにしたいという弊社の企業理念と、Verizon Wirelessが推奨する「Smart Store」のコンセプトが合致し、店舗をオープンするに至りました。
弊社は日本に運営母体となる企業があり、NTT Docomoの運営代理店として、神奈川県でドコモショップを4店舗運営しております。その実績を評価され、日系企業としては初となるVerizon Wirelessの公認一次代理店の権利を取得し、さらに今回「Smart Store」の出店に関して、承認を得ることができました。
Q2:現在、店舗ではいくつのIoTデバイスを扱っているのでしょうか?また、その中で最も人気が高いプロダクトは何でしょうか。
取扱商品はまだ多くなく、店舗ごとに数点ずつの取り扱いとなります。お客さまからとりわけ好評なのが、店頭で体験できるゴーグル型のVRです。販売実績に関して言及すると、Bluetooth型のイヤフォンや、スピーカーの販売数が伸びています。
また、「Fitbit」などのウェアラブル端末に関する問い合わせも、増えてきております。アメリカでは、どのようなデバイスを販売するかは、代理店の裁量に任されており、今後は日本で人気のIoTデバイスも、取り扱っていきたいと考えております。
・年々複雑化するITをわかりやすく伝えていく
Q3:オープンから1か月あまり。お客さまからの反応はいかがですか?
ホリデーシーズンにオープンしたこともあり、来店者数は順調に伸びています。お客さまからは、「こんな新しいデバイスがあるんだ」、「スマホでここまでいろいろなことができるんだ」といった驚きの声を、多く頂戴しています。
一方、IoTという言葉ばかりが先行し、実際にどういったデバイスがあるのか、どんな使い方をすればいいのか、お客さまが理解しきれていないのも事実です。弊社では、年々進化し複雑化していくITを、なるべくお客さまにわかりやすくお伝えしながら、生活を便利にしてもらいたいというミッションをベースに、今後も活動していきます。
Q4:今後の展開について、教えてください。
現在、Verizon Wirelessと交渉段階ですが、テキサス州ダラスフォートワースエリアを中心に、2017年中に数店舗のオープンを予定しております。お客さまの生活に役立ち、便利になるものであれば、新しいデバイスやシステムも、積極的に提供していくつもりです。
弊社は日本にも取引先企業がいくつかございますので、日本発のIoTデバイスを、ITの本場アメリカに発信していける存在になっていきたいと思っています。
この1年、ITジャンルの話題を独り占めしたIoT。しかし、新崎氏が言うように、言葉ばかりが先行している感がある。「Smart Store」は、その実体を知るのに最適な場所。ハワイに行く機会があったら、ぜひ訪れてみたいところだ。(取材・文 乾 雅美)
Verizon Wireless Smart Store