とりわけ、スマートフォンでメニューの注文と支払いを簡単に完了でき、食べたいときに好きなものを食べられるオンデマンド型のフードデリバリーサービスは、30代までの若い世代において需要が高い。
このような消費トレンドを受け、近年、米国では、「GrubHub」や「EatStreet」、「Caviar」など、フードデリバリープラットフォームが増えている。
・1オーダーあたり子ども1食分を寄付
米ニューヨーク市で2014年に創設された「ShareBite(シェアバイト)」は、オンデマンド型フードデリバリーとチャリティーを組み合わせたユニークなサービスだ。
スマホアプリを介して好きなメニューを注文すると、指定場所に配達してくれるという流れは一般的なフードデリバリーサービスと同様だが、1オーダーにつき、子ども1食分の食費を寄付する仕組みとなっているのが特徴。
ニューヨークの低所得者に食料を提供している非営利団体「City Harvest(シティ・ハーベスト)」との提携のもと、この仕組みを通じて、食料を必要としている子どもたちに63,600食以上を届けてきた。
・ニューヨークの子どもの4人に1人が飢餓に苦しんでいる
子どもへの食料支援に取り組むキャンペーン「No Kid Hungry」によると、ニューヨーク市では、およそ4人に1人の割合にあたる47万4,000人以上の子どもが、飢餓に苦しんでいるという。
「ShareBite」は、一見、飢餓とは無縁な華やかで豊かな大都市ニューヨークにおいて、「飢餓に直面している子どもが存在する」という社会的課題を地域住民に認識させ、この課題の解決へのサポートを広く呼びかける仕掛けとしても秀逸だ。
ShareBite