今回ご紹介する「a-walk(エーウォーク)」も、そうした背景をうまく捉えた、現代ならではのサービスだろう。アプリユーザー自ら、動画コマーシャルを制作する、ソーシャルコマーシャルネットワーク。スマホ1つで、誰でも自由にCMを作ることができるという。
提供元は、大阪を拠点に事業を展開するJokerPiece(ジョーカーピース)。 代表取締役の住田 賢司(すみだ けんじ)氏が、取材に応じてくれた。
・企業が用意した音源に合わせて動画を撮影
Q1:まずは、このようなサービスを提供するに至ったきっかけから、お聞かせください。
能力に秀でた個人にスポットライトが当たりやすくなった昨今は、ソーシャル上の有名人がいろいろな場で活躍しています。
今後さらに個人クリエイターは増え、人気の職種(Youtuber、Instagramerなど)として、確立されたものになっていくでしょう。その足がかりとなる土壌を作るために、サービスを提供しています。
Q2:「a-walk」の特長と仕組みについて、教えてください。
あらかじめ用意された音源(ネタ)に合わせて、動画を撮影します。複雑な操作はなく、録画ボタンを押している間だけ音源が再生され、それと同時に動画撮影を行います。
ユーザーに楽しんでもらうことを重視しているので、用意される音源は広告だけではなく、ユーザーからも投稿できるようにしました。また、タイムラインでの動画再生を見やすくするため、ムービーをスクエアにしています。
・個人クリエイター創出を後押し
Q3:企業には、動画CMを低コストで制作できるという利点がありますが、ユーザーのメリットとして挙げられるのは、どんなことでしょうか。
例えば、Youtubeの映像を見る前に流れる広告。「あと5秒で広告をスキップできます」と表示されますが、そのたった5秒が、とても長く感じられます。
テレビCMも同じでしょう。目的をもって動画を見ようとしているユーザーの、邪魔をしているだけなのです。広告主となる企業は、顧客に自己表現する場を提供できているのか、いささか疑問です。
その点「a-walk」は、気軽な参加と鑑賞を実現している上、お小遣いにもなる可能性を秘めています。さらに、ここでの活躍が、人気職種へのパスポートとなるかもしれない。そういったメディアになればと、願っています。
Q4:今後の展開について、決まっていることがありましたら、教えてください。
12月15日に、バージョンアップ版のリリースを予定しています。ユーザー同士のコミュニケーション機能の充実と、音源についても、個人クリエイターのものを生かしたいと考えています。
(将来的には)個人クリエイターが才能を発揮するための場であると同時に、企業が戦略的に扱うマーケティングの場となるよう、成長させていくつもりです。
「a-walk」では、企業依頼がない期間でも、ユーザーからの投稿を受け付けている。ユーザーは動画共有アプリと同じ感覚で利用しながら、センスを磨くこともできるのだ。YoutuberやInstagramerに続く、第3のソーシャルリーダーは、ここから生まれるのかもしれない。(取材・文 乾 雅美)
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