オンラインショッピングサイトやポイントカードなどの普及に伴って、より多くの購買履歴がデータで記録されやすくなったことから、これらの膨大なデータを解析し、マーケティング活動などに活かそうという企業も少なくない。
つまり、消費者の購買履歴データは、企業にとって、より価値のある情報になりつつあるといえる。
・オンラインショッピングの履歴データを“寄付”
米国の「Data Does Good(データ・ダズ・グッド)」は、各消費者のアマゾン・ドット・コムでの購買履歴データを収集し、有益なデータセットとして加工した後、企業に提供し、その対価として得た金銭をチャリティに寄付するプロジェクトに取り組んでいる。
まず、趣旨に賛同する一般ユーザーは、ウェブサイトを通じて、アマゾン・ドット・コムでの購買履歴データを、「Doctors Without Borders(国境なき医師団)」など、支援したい非営利団体に“寄付”。
「Data Does Good」では、氏名や住所など、個人を特定する情報を削除した上で、“寄付”された購買履歴データを統合する。
加工され、暗号化されたデータセットは企業に提供され、これによって得た収益から、ユーザーあたり15ドルが非営利団体に届けられるというわけだ。
・ビッグデータ時代の新しいファンドレイジング
「Data Does Good」は、消費者それぞれの購買履歴データを“財産”として扱い、これを金銭に換えて寄付することで、社会貢献活動をサポートしようという取り組み。
ビッグデータ時代ならではの、新しいファンドレイジングの試みといえるだろう。
Data Does Good