Nuance社では、クリック数に依存した広告ではなく、ユーザーが実際どれだけ広告に関わったかという点にフォーカス。Nuance社の音声テクノロジーは、すでに車に搭載されたり、病院で使われたりしているが、アップルの音声認識ソフトフェア「Siri」の機能をベースとして、新たに開発されたのが「Voice Ads」である。
世の中に広告はたくさん存在しており、テレビや新聞、ネットなどを通じて、企業はさまざまな広告を打ち、ユーザーにいろいろなことを訴えかけるが、ユーザーからは何の反応もできない、一方向なものだった。「Voice Ads」では、自然言語処理の技術や音声認識テクノロジーを駆使し、ユーザーが広告に話しかけることで、広告が反応を返すというような、インタラクティブな機能を実現。例として、Nuanceでは架空のデオドラントブランド「Alpha」の広告デモンストレーションを用意している。広告に向かって「この製品を買うべき?」と尋ねると、広告が「『Alpha』を使用すると、銀行のお金のような香りがします」と応答する。ユーザーは楽しみながら積極的に広告と自ら関わり、広告の内容を知ろうとするわけだ。広告主にとっては、偶然クリックされた数値ではなく、能動的にユーザーが広告に携わった数値を掴むことができるため、広告の有効性を見極めやすくなるというメリットがある。
「Voice Ads」のような新しい形態の広告は、モバイル広告の世界に新しい風を吹き込んでくれそうだ。
Voice Ads