しかし、いくら活性化したいからと言って、交流会やイベントを、無理やり押し付けるわけにはいかない。特に若年層には、こうした“無言の強制”は、ご法度。かえって反発を招きかねない。
そんな背景を受けて誕生したのが、この「ハピバコ®」だ。何気ない仕掛けの裏に、社員の気持ちを高揚させるヒントが隠されている。提供元は、パリッシュメディアソリューションズ。考案者でもある代表取締役社長の土屋 耕平(つちや こうへい)氏に、話を聞いた。
・誕生日のお祝いを機に会社の想いを伝えるサービス
Q1:まずは、このようなサービスを考案したきっかけから、お聞かせください。
私が以前に某出版社(従業員40名程度)の経営をしていた頃の反省から、「ハピバコ®」は生まれました。当時は従業員の労働時間も長く、大変な仕事ということもあり、常に当社は人材難でした。(中略)
(そんな中)高い採用費をかけて人材を獲得しても、既存社員に対する福利厚生費のバランスが崩れれば、自然に社内の雰囲気が悪化していくことに気づいたのです。社員とのコミュニケーションでは、些細なひと言と少しの気持ちを伝えることが大切です。現在は、新しい形の社内活性化ツールとして、自分自身がわかってはいても、なぜできなかったのかをヒントに、日々サービスを提供しています。
Q2:「ハピバコ®」とは、どんなサービスなのでしょうか。
社員や顧客の“お誕生日”に、コミュニケーションを取ることで、普段なかなか伝えきれない会社からの“想い”を届けるサービスです。(中略)
まず、社員や顧客のお誕生日データ登録してもらいます。登録してもらった人のお誕生日の30日前に、アラート機能(当社からのメール)によるお知らせと、バースデーメッセージを記入する専用フォームを送付します。そちらの専用フォームにお祝いのメッセージを記入してもらうだけで、メッセージカードの作成と、あらかじめ決定しておいたギフトを、発送する仕組みです。
・生花やプリザーブドフラワーをメインにギフトを贈呈
Q3:現在お届けしているギフトは、どのような物なのでしょうか。プレゼントの選択基準と併せて、教えてください。
現在お届けしているギフトは、お花やプリザーブドフラワーが中心です。複数のギフト会社と提携し、ギフトを送付しています。今後もバリエーションは増やしていきます。(中略)
商品の選択基準は1社員あたり5000円プランであれば、最低4000円以上のお花を、4000円プランであれば最低3000円以上、3000円プランなら2000円以上のお花をお贈りしています。管理料とバースデーカードの制作費用は、上記プランに含まれます。
Q4:将来的に「ハピバコ®」を、どんなサービスにしたいとお考えですか。未来の展望をお聞かせください。
「ハピバコ®」を通して、企業にとって大切な人(社員・顧客など)のお誕生日を、企業が当たり前のようにお祝いできる文化を創っていきたいですね。
加えて今後は、企業から社員へのお祝いだけでなく、大切な顧客やお店の会員、お友達のお誕生日の管理を、さらに便利にお得にご利用できるよう、努めてまいります。
お誕生日という一年に一回、誰しも持っている記念日に特化したマーケティング活動を実践することで(中略)、企業内外の雰囲気が活性化し、そこで働く社員の人生がさらに豊かになるようなサービスをめざし、事業を成長させていくつもりです。
(取材・文 乾 雅美)
社員のハピバ!(お誕生日)コミュニケーション ハピバコ®