では、モノに含まれる情報だけでも、より長く保存することはできないだろうか。
・みんなでつくる、モノ版Wikipedia
「Thngs」は、“モノ版Wikipedia”を標榜するインターネット百科事典である。
特性や概要、仕様などを記述したテキストデータ、画像など、あらゆるモノのデジタル情報を、博物館や収集家、デザイナー、メーカーなどが投稿。
任天堂の携帯型ゲーム機「ゲームボーイ」や、期間限定で販売された炭酸飲料「ファンタフルーツパンチ」など、日本でも馴染みのある懐かしいモノも“保存”されている。
「Thngs」では、モノごとに、固有のページが割り当てられ、メタデータや画像、ファイルなどが整理されている。
Wikipediaと同様に、誰でも、データを追加したり、既存データを編集したりすること可能だ。
近い将来には、3Dプリンティング用のデータや組み立てマニュアルなども網羅し、時空間を超えて、モノの復元をも可能としたい方針だという。
・モノにおけるデジタルアーカイブ化の動き
米スミソニアン博物館がウェブサイト「Smithsonian X 3D」を通じて所蔵品の3Dデータを公開したり、ゲティ財団が所蔵作品のデジタルアーカイブの一部をオープンソース化するなど、モノをデジタルデータで保存する動きが少しづつ見られるようになってきた。
「Thngs」は、これら個々の取り組みを集約するプラットフォームとしても、活用できそうだ。
Thngs