昨年創業のタグピクも、そんな企業の1つ。アジア最大規模のインフルエンサーを抱えるインスタグラム事業PR会社として、急成長を遂げた同社。AI活用型キャスティングシステムやインフルエンサーを起用した動画制作など、次世代型のマーケティングサービスも、注目の的となつている。
先月末には、コンテンツビジネスの戦略投資会社DK Gateからの資金調達を決行。新たなフェーズへと向かい始めたようだ。代表取締役、安岡 あゆみ(やすおか あゆみ)氏と、取締役/CTOの泉 健太(いずみ けんた)氏に、早速詳しい話を聞くことにした。(写真:向かって左が安岡氏、右が泉氏)
・新規事業展開の準備として資金調達を決行
Q1:まずは、起業の経緯について、創業者さまの経歴等を 交えながらお聞かせください。
(安岡氏)私自身、10代の頃から読者モデルとしてPRのお仕事を続けてきました。経営者としては、タグピク創業前に一社、PR会社を立ち上げています。
とはいえ、昔から起業家をめざして創業したわけではなく、読者モデル時代に私自身がインフルエンサーとして体験した、個人の力を生かしたサービス提供がしたい、という思いが事業作りおよび会社創業の動機となっています。
今でもその想いは変わらず、PRをしたい企業さまとインフルエンサーの双方にとって、価値の高いサービスを提供することを、モットーとしています。
Q2:今回新たに資金調達されたのは、何のためでしょうか。
(安岡氏)今回出資していただいたDK Gate社は、講談社とデジタルガレージの合弁会社です。詳細についてはまだお伝えできないのですが、この2社の持つ質の高いコンテンツおよび編集力と、弊社の持つインフルエンサーネットワークを活用した、新規事業展開のための準備として、今回の資金調達に至りました。
新規事業の詳細については、現時点で開示できるものがないため、両社の強みをご理解の上、期待していただければ幸いです。
・インフルエンサーネットワークの拡大とグローバル企業のサポートに尽力
Q3:御社で開発された「#CASPIC」とは、どんなシステムなのでしょうか。
(泉氏)「#CAPIC」は、弊社が保有する約1700名のインフルエンサーデータを一括管理しつつ、AIを活用した最適なキャスティングを提案するシステムです。
これまでキャスティング業界では、商材やターゲットに合わせたインフルエンサーを人力で抽出し提案する、というフローが一般的でした。しかし、「#CASPIC」では、インフルエンサーの持つ属性やSNSでの投稿傾向、得意な領域や過去の案件実績などのデータベースに基づき、企業さまにとって最も合理的かつ最適なマッチングを実現します。
Q4:創業から1年経ち、新たな局面を迎えられたかと思われます。 ここで資金調達後の展開について、お聞かせください。
(安岡氏)創業から現在までの1年は主に、国内の企業さまおよびインフルエンサーをメインとした事業を展開してまいりました。今後はそれに加えて、海外、特にアジアのインフルエンサーネットワークの拡大と、グローバル企業さまのサポートに、積極的に取り組んでいきます。
すでに海外のインフルエンサー数は、弊社が管理するインフルエンサーの約50%を占めており、フォロワーの増加数ベースでは、国内以上の規模に成長しつつあります。これに伴い、「#CASPIC」もグローバル対応を進め、国内外の企業さまに向けた提案ができるよう、開発を進めているところです。
企業のマーケティング支援策として、欠かせない存在であるインスタグラム。無尽蔵の影響力を放つこのシステムを、どうやって昇華させていくのか、同社の今後の動きに注目したい。(取材・文 乾 雅美)
タグピク/公式ホームページ