最近ようやく、アズダ(Asda)やテスコ(Tesco)といった大手小売チェーンを中心に、青果物の規格を緩和したり、規格外の商品を割安で販売するなど、食料廃棄物の削減に向けた取り組みがみられるようになってきた。
・家庭でもオフィスでも、規格外の青果物を割安で定期購入
英スタートアップ企業「Tasty Misfits(テイスティ・ミスフィット)」は、規格外青果物に特化した定期購入サービスをロンドン南西部で展開している。
2人分相当の規格外野菜が詰められた家庭向けボックスが5.50ポンド(約700円)から購入できるなど、競合サービスに比べて30%程度、割安なのが魅力だ。
毎週火曜日の夜中までにオンラインで注文すると、土曜日の朝、自宅などの指定場所に届く流れとなっている。
また、「Tasty Misfits」では、企業などのオフィスに向けて、規格外の果物を集めた定期購入型セットも販売。
福利厚生の一環として、企業が美味しく健康によい果物を割安で調達し、継続的に職場のスナックとして提供することで、従業員の生産性向上や健康増進につなげられるという。
・規格外青果物の流通の多様化で消費者の意識を変える
アズダのアンケートでは、買い物客の65%が形の悪い新鮮な食材に寛容な姿勢を示し、75%が「安ければ、形の悪いものでも購入する」と回答した。
「Tasty Misfits」のようなサービスは、形状が悪い、不揃いな青果物に対する消費者の意識を少しづつ変え、従来の流通チャネルから除外されていた貴重な食材と消費者をむすぶ手段のひとつとして、今後ますます、広がっていきそうだ。
Tasty Misfits