不足しがちなビタミンやミネラルなどの栄養補給を補助するサプリメントは、日本でも広く普及し、市場リサーチ会社インテージによると、その市場規模は2015年時点で1兆5785億円と推定されている。
身長や体重から、ニーズ、嗜好、ライフスタイルに至るまでユーザーはそれぞれ違うが、既存のサプリメントは平均的な成人のサイズやスタイルに合わせた少品種多量生産によるものが多いのが現状だ。
・完全オーダーメイドのサプリメント誕生
「Multiply Labs(マルチプライ・ラボズ)」は、ユーザーの細かなニーズに合わせた“完全オーダーメイド”のサプリメントブランドとして、米国で誕生した。
ユーザーの性別や年齢、体格、ニーズなどから、サプリメントの成分や量をカスタマイズできるだけでなく、米マサチューセッツ工科大学と伊ミラノ大学が開発した独自の技術により、それぞれの成分が体内で吸収される時間帯まで指定できるのが特徴だ。
たとえば、朝1回錠剤を飲むだけで、健康増進のための栄養成分をただちに摂取した後、昼過ぎくらいからカフェインを作用させることで眠気を覚ますことができる。
また、「Multiply Labs」では、多品種少量生産に適した製造プロセスを採用。
錠剤は3Dプリンティングで出力され、サプリメントの成分は、ロボットシステムによって錠剤に自動注入される仕組みとなっている。
・2017年5月から出荷スタート
「Multiply Labs」のオーダーメイドサプリメントの定価は、2週間分で25ドル(約2500円)。
現在、定価から25%割り引いた19ドル(約1900円)で先行予約を受け付けており、2017年5月から、順次出荷される見込みだ。