では、人工知能を、詩や散文といった文学の領域に応用することは可能なのだろうか。
・機械が書いた文芸作品を収録する新しいデジタル文芸雑誌
ソフトウェアエンジニアでデータサイエンティストのカーメル・アリソン(Karmel Allison)さんは、2016年7月、“機械が書いた、ヒトのための新しい文芸雑誌”を標榜するデジタルメディア「CuratedAI」を創刊した。
「CuratedAI」は、人工知能プログラムが自動生成する散文や詩のみを扱っているのが特徴。
文法や語の修正など、最小限の校正や編集のみ、ヒトの手で行っている。
「CuratedAI」で掲載されている文芸作品は、詩13本と散文5本の合わせて18本と、まだコンテンツが豊富とはいえないのが現状。
現在、このプラットフォームを通じて、人工知能プログラムで生成した文芸作品を公募しており、今後は、コンテンツを多様に増やしていく方針だ。
・人工知能が文学の新たな楽しみ方を生み出す!?
「CuratedAI」は、言葉により深い意味を持たせる文学の領域にも人工知能を活用しうることを示し、人工知能の可能性を広げている点が秀逸。
また、書き手がヒトから人工知能に置き換わることで、作品の創出に人工知能がどう働いているのか、作品を自動生成する人工知能のアルゴリズムがどのような思想や意図で開発されているのかなど、文芸作品の新たな味わい方や楽しみ方が生まれそうだ。
CuratedAI