急速に高齢化が進み、将来的に人口減少に伴う労働力不足が予想されている日本。
これは取りも直さず、体力のある若手労働者が少なくなることを意味するが、近年は“ロボット技術”を利用したアシストスーツで体力の消耗を軽減しようとする動きも出てきている。
この取り組みについては、海外メディアが報じるなど、国外からも注目を集めている。
・高齢の作業員の負担を軽減
大阪の「辰巳商會」は、多くの高齢の作業員を抱える海運・港運会社。業務内容は、荷卸しや積み込みなど体力的な負担も大きいため、同社は2014年からロボット技術を利用したアシスト器具の開発に投資してきた。
開発を進めたのは、パナソニックの社内ベンチャーから設立された企業「アクティブリンク」だ。
・体幹の動きを位置センサーで検出
アクティブリンクは、荷役作業での身体への負担を軽減する補助器具の試作機「アシストスーツAWN-02」を辰巳商會の協力のもと開発。
この試作機をベースとし、AWN-02を用いた実証実験を通じて得られた作業現場の知見を反映した「アシストスーツAWN-03」を2015年9月から発売している。
同製品は身体に装着して使用するロボット。体幹の動きを位置センサーで検出し、動作に合わせて腰部のモータを回転させることで、荷役作業時の腰への負担を軽減する。
モータの数を左右の腰付近の合計2個に減らし、コストダウンおよび軽量化にも成功しているという。
最新の技術を用いて、労働者の負担を軽減するモデルケースのひとつのアシストスーツ。高齢化社会が進む日本で、今後注力すべき分野のひとつではないだろうか。
AWN-03