海外・国内のベンチャー系ニュースサイト | TECHABLE

TECHABLE

Tech 【interview】「従業員が幸せになれなければユーザーが幸せになれない」会社設立、ブレイク、仲間が離脱、ピボット…波乱万丈の2年間を経験をしたdely堀江祐介の今

Tech

【interview】「従業員が幸せになれなければユーザーが幸せになれない」会社設立、ブレイク、仲間が離脱、ピボット…波乱万丈の2年間を経験をしたdely堀江祐介の今

SHARE ON

このエントリーをはてなブックマークに追加
horie3

移り変わりの激しいIT業界では、数年前まで名前をよく聞いたサービスがなくなってしまうということは良くある。

波乱万丈のこの業界で、会社の設立からサービスのブレイク、衰退、社員の離脱、新サービスを立ち上げ、再度のブレイクを果たしたのがdelyの堀江祐介氏だ。Techableでは堀江氏に起業からこの2年間についてインタビューを行った。

大学時代に起業


Q1:堀江さんは起業したいという強い気持ちをもって宅食サービスの「dely」を立ち上げたと思います。その際のお話をお聞かせ下さい。
2011年に311を体験した後、100億円を寄付した孫正義さんに憧れ、起業してみたい気持ちが強くなりました。大学入学後もその思いを抱き続け、ウェブでサービスを立ち上げてみたい思いや、使ってもらいたい気持ちが強くなり宅食の「dely」を立ち上げました。

最初は事業について何もわからない段階からスタートし、資料を作ったり、営業方法を学んでサービスを拡大していきました。アイディアを思いついたら、すぐにやってみたくなるんです。やり方は分からなくても、ともかく見よう見真似でやってみたい性格なんですよ。

そんなことを続けているうちに、周囲に「堀江という面白いヤツがいるぞ」と紹介していただたりして、宅食のdelyはどんどん大きくなっていきました。

LINEが宅食事業に参入、撤退からピボット


dely

Q2:しかしながら、現在の業態である「KURASHIRU」にピボットすることになったと思います。当時の状況や、前事業に関する思いなどがあれば教えて下さい。
前事業を畳むにあたり、特に無念という思いはなかったです。競合他社との状況が厳しいこともあり、最終的には赤字でしたが、私としてはポジティブな心境で「よし、次の事業を行おう」と前に進むことができました。LINEさんが同じような事業に参入して来た際はエリアなども被っていて、発表を見ながら社内がざわついて急に不安を感じたとともに、これがビジネスの世界だなと痛感しました。「やるしかないな」という気持ちを持つしかなかったです。

この事業をクローズした後、半年ほどメディアをやっていましたが、その後どうピボットしようと考え、美容、食、動物、などの動画を作りはじめました。ネイティブアドが一番作りやすいということもあり、クッキングの動画に絞ることにしたところ、作戦がハマり5カ月間で1億回の再生を記録しました。やはり衣食住の中では最も「食」がコンテンツを作りやすかったですね。

ライバルは意識してない


Q3:KURASHIRUの動画でヒットの法則などはありますか?またTastyなどの競合も上陸しましたが今後はどのように対抗する予定ですか?
動画を作る際、作り初めの段階で一番意識したのはユーザーにシェアしてもらうことです。動画を撮り始めていたとき、あまりシェアされませんでした。何個か試したところ、アレンジしたオムライスの動画を作ったところヒットしました。やはり黄色い卵、赤いオムライスを使うと映像が映えるんですよね。

映像としては映えなかったのですが、じゃがいもチーズ餅もウケが良かったです。アレンジを加えた料理動画はウケやすい傾向にありますね。

最初はシェアで視聴数が伸びることが多かったのですが、Facebookのように、流れてくる情報を見るだけではなく、サイトに人を呼び込んで多くの人に動画を見てもらうべくアプリを立ち上げたところさらに視聴数が伸びました。

Tastyさんをはじめとしたメディアは今後もどんどん出てくると思いますが、弊社としてはサイトに来てくれるお客さんがメインターゲットなので、特に強く意識はしていません。短い間ではありますが、動画量産のノウハウを蓄積し、今では凄い量の動画をまとめて作ることができるようになっています。また作り手自体が食べ物が好きで、本当にモチベーションが高いですし、アイディアが豊富な点も私としては心強いです。

まだまだサービスに改善の余地はあると思いますが、常にユーザのための開発を心がけており、滞在時間も長いので私としても大きな手ごたえを感じています。

従業員が辞める会社のシステムには穴がある


horie2

Q4:以前チームを作った際のメンバーは抜けてしまったということがあったと聞きます。その際に考えたことを教えて下さい。
従業員が辞めて行く中で「これは経営者としての力不足だな」と痛感しました。最初は若くして資金を調達し注目を集めていたため幻想の信頼が自分が集まっている状態だったのだと思います。なんとか再建しながら、次会社が危機に陥ったときに多くの人間がこの会社を助けてくれるようにしていかなければいけないとずっと考えていました。

一回サービスを辞めたという部分で、反省している部分もあり「従業員が幸せになれなければユーザーが幸せになれない」ということを考えるようになりました。失敗から「従業員が辞める会社のシステムには穴がある」と学んだんです。

私の周りの社員が幸せになり、さらに動画を見たユーザーの生活の質が上がり、幸福度が増す。これが私の理想です。スタートは孫正義さんに憧れ、従業員が多い大きな会社を作りたいという思いがありましたが、今では社員が幸せになる会社が作れればと考えています。

とはいうものの、日本一の会社を作りたいという思いも捨ててはいません。先日従業員に「堀江さんは社員の幸せを考えるだけでなく、やっぱり孫さんみたいに世界一目指してほしいです」と言われてしまいまして…やはり起業という道を選んだからには大きな目標を持って、それを実現できるようにしたいと一経営者としては思います。それと共に、社員に愛され、ユーザーに愛されるような会社を作っていくことが必要だと思っております。

KURASHIRU

(取材・文 テッペートダ

dely株式会社

関連記事

Techableの最新情報をお届けします。
前の記事
次の記事

#関連キーワード


WHAT'S NEW

最新情報