このような状況のもと、2016年8月5日に開幕したリオデジャネイロオリンピックは、ロボットジャーナリズムの黎明期における国際的なイベントのひとつとなりそうだ。
・リオデジャネイロ五輪の速報をロボットが自動配信
米有力紙「ワシントン・ポスト(The Washington Post)」は、人工知能を応用した独自の記事生成システム「Heliograf」により、競技の実施スケジュールやその結果、国・地域別メダル獲得数など、リオデジャネイロオリンピックに関する主な情報を自動で生成。
データを活用して自動生成される数行程度の簡素な速報記事は、自社のウェブサイトやツイッターの公式アカウント(@WPOlympicsbot)などを通じてリアルタイムに配信される。
記者にとっては、膨大な速報記事の配信から解放されることで、オリンピックの舞台裏の独自取材や試合結果に関する専門的な分析などに注力できるのが利点だ。
・報道におけるヒトとロボットの役割分担とは?
2013年にジェフ・ベゾスが買収した「ワシントン・ポスト」は、新聞とデジタルの融合にとても積極的だ。
「Heliograf」の改良をさらにすすめ、2016年11月に予定されている大統領選本選などにも、この仕組みを積極的に活用していく方針を明らかにしている。
報道の分野でロボットによる記事執筆が広がるにつれて、記者やジャーナリストが担保すべき機能とロボットに移管できる作業やタスクがより明確に区別され、ひいては、記者やジャーナリストの本質的な役割が問われていきそうだ。
Rio Olympic Games 2016 - The Washington Post
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