しかし、大半のサービスには、人間本来のリアルな気持ち―会いたいという思いや感謝の言葉を、うまく伝えきれていないところがある。不特定多数のユーザーがいる場で、本当の気持ちをさらけ出すのは勇気がいるもの。インターネットが心の障壁となって、立ちふさがっているのだ。
「Emotion(エモーション)」は、そうした壁を取り払う新感覚のアプリ。時として自分を偽らなければならない従来のSNSとは一線を画す、シンプルで濃密なコミュニケーションサービスだ。
提供元は、同名の企業Emotion。正式版リリースを控え、大忙しの代表取締役、高田 優太(たかだ ゆうた)氏をキャッチした。
・わき出る気持ちをそのまま伝えるクローズドなSNS
Q1:まずは、このようなサービスを提供するに至ったきっかけから、お聞かせください。
現代のネットコミュニケーションではちょっとした会話にチャットを、雰囲気を伝えたければ画像・動画を、直接やりとりするなら電話というように、TPOに対応したサービスがすでに数多く存在していると思います。
ただ、そういった従来のサービスでは、気になっている女の子に「会いたい」と伝えたいとき、うまく伝えきれないもどかしさがあります。相手にもっとうまく気持ちを伝えることができないだろうか、相手のことをもっと知ることはできないだろうかと、思ったのがきっかけです。
Q2:従来のSNSとの決定的な違いは、どこにあるのでしょうか。サービスの仕組みや特徴も交えて、お話しください。
従来のSNSと決定的に違うのは、ユーザーが気兼ねなく相手に気持ちを贈れることと、相手が自分をどう思っているのか感じ取れるユーザー体験を提供している点です。(中略)
(さまざまな気持ちを伝えるため)従来のテキスト、スタンプ、画像・動画に加えて多彩な表現の手段を考案しました。これらを用いることで、最大限その”気持ち”を伝えることができます。
(もう1つ特長として挙げられるのは、)ユーザー同士の関係性を可視化していることです。心理学に基づいた解析を取り入れることで、友人とのリアルなつながりをサポートし、お互いの心情を把握できるようにしています。
・ネット上の郵便屋さんになれるようなサービス
Q3:このサービスを、日常のどんな場面で使ってほしいとお考えですか。
実生活でつながりの深い友人同士で、利用してもらうことを想定しています。(中略)時や場所に関係なく、(中略)誰かに話しかけたいときにわき出た気持ちを、ありのまま表現するために使ってもらいたいですね。
僕らが作っているのはチャットではなく、一方通行性の高いメールや手紙を、より簡易化したものです。そういった意味では、日常のささいなことを、より気楽に相手に伝えられると思っています。
Q4:SNSはんらん時代の今、「Emotion」はどのようなサービスに成長していくのでしょうか。未来への展望をお聞かせください。
コミュニケーションは、人が直接会う(Face to Face)をベースとしながら、遠方への手段は6世紀以前から、木簡、書簡、伝馬、郵便、電報、電話、メール、チャットというふうに変化を繰り返してきました。ただそんな変化の中で、いつも本質にあったのは、相手に何かしらの気持ちを伝えたい、という想いだったのではないでしょうか。
インターネットが主流となっている今だからこそ、(中略)人と人とのつながりを深めることに注力し、気持ちを届けながら、インターネット上の郵便屋さんになれるようなサービスにしていきたい、と思っています。
「Emotion」のリリース予定は、9月上旬。ピンク色のキュートなUIが解放される日を、楽しみに待ちたい。
Emotion