米国では、オバマ政権が、2014年2月、約20年ぶりに食品表示ラベルの大幅な改正に取り組む方針を出し、食品にまつわる情報開示がすすめられている。
しかしながら、現時点では、その多くは、単なるデータの羅列にとどまり、消費者のニーズに必ずしも合致していない。
・ビジュアル重視の食の情報プラットフォーム
米国内外で、次世代型の食品データツールとして注目されているのが、米ニューヨーク大学出身のデザイナーSam Slover(サム・スロバー)氏が開発したウェブサイト「Sage Project」だ。
「Sage Project」は、2万品目にわたる食品を網羅。
専門的なデータを咀嚼し、ビジュアルでわかりやすく表現されているのが特徴だ。
また、栄養面だけでなく、環境保護や社会的倫理の観点から、原料の生産地や加工業者の品質管理体制、労働環境などの情報も扱い、サプライチェーン全体の透明性を担保。
性別や身長、体重を入力し、アレルギーの有無や嗜好などを設定すると、ユーザーの体型や個々の条件に合ったデータを提供する“パーソナライズ機能”も備えられている。
・食ブランドと消費者とをつなぐ情報プラットフォーム
「Sage Project」には、米国の高級食材店「ホールフーズ・マーケット」や栄養補助食品「Clif Bar」など、優良ブランドが数多く参加している。
「Sage Project」は、食材店や食品ブランドと消費者とをオープンにつなぐ情報プラットフォームとしても、貴重な役割を果たしつつあるといえよう。
Sage Project