心の疾患は、決して他人事ではない。ストレス社会の現代において、誰でもかかる可能性がある。そこで必要なのは、気軽に相談できる環境。深刻な状態に陥る前に、悩みを解消し、病気を未然に防ぐことではないだろうか。
チャットアプリ「ケアスル」も、そうした観点から生まれたもの。心の専門家や同じ悩みを持つ仲間とトークすることで、心身のダメージを解消するというメンタル予防のためのサービスだ。
提供元は、スマホアプリを中心に幅広く事業展開しているアクシリア。CTOの清水 風音(しみず かざね)氏に、話を聞いた。
・カウンセラーから100%回答が届く
Q1:まずは、このようなアプリを開発するに至ったきっかけから、お聞かせください。
メンタル疾患に陥る原因はさまざまですが、本人の問題以外に、救ってくれる人が周りにいない環境のせいだと、勤めた職場を通じて感じたことがきっかけです。
現在、日本のうつ病患者は100万人とされ、これからの社会を担う10代から40代の方々の死因トップは、自殺だといいます。それを食い止めることが、社会で必要だと感じたため、アプリの開発に踏み切りました。
Q2:「ケアスル」とは、どんなアプリなのでしょうか。仕組みや特徴など、詳細について改めて教えてください。
スマホアプリで、カウンセラーにリアルタイムでチャット相談できます。そして、100%その回答をお返しします。また、カウンセラーや共感する仲間をフォローしてつながることで、一人じゃないという思いを感じてもらい、メンタルの自立支援をサポートします。
・アプリの概念に共感した専門家が参加
Q3:相談に応じる専門家は、どんな方たちなのでしょうか。
心理カウンセラーや臨床心理といった、その道の専門家たちです。カウンセラーはインターネットの募集に応じ、アプリの概念に共感してくれた方が担っています。もちろん、アプリを通じて回答者の登録ができますので、どんどん参加してほしいと思います。
Q4:機能拡張やバージョンアップなど、今後の展開で決まっていることがありましたら、お聞かせください。
1つは、ログインや回答ごとにたまるポイント制度です。これは、カウンセラーへのインセンティブの意味もありますが、まずは悩みのあるユーザーの皆さまにアプリを起動してもらい、みんなの相談や解決する様子をみることで、自立を支援したいとの思いから導入しました。
2つ目は、プライベートトークの提供です。「ケアスル」では相談・回答をオープンにしていますが、こちらは特定のカウンセラーと非公開で相談したい、本格的なカウンセリングがしたい方へのサービスとなります。
自身もカウンセラーとして、最前線で活躍する清水氏。話の端々から、メンタル予防に対する熱い思いが伝わってくる。アプリの基本利用は無料(機能によって有料)。App Storeから、ダウンロード可能だ。
※参考資料:厚生労働省 患者調査上巻第64表 総患者数, 性・年齢階級×疾病小分類別 2008年
ケアスル