とりわけ、公共交通機関は、不特定多数の人々が利用し、一日中運行していることから、多くの人々の目にとまりやすく、広告効果が期待できるとされている。
しかし、「ラッピング広告」を含め、屋外広告は、その効果を追跡するのが難しく、費用対効果を客観的に評価する手段やツールがほとんどないのが現状だ。
・マイカーにステッカーを貼り、広告媒体に
ロシアの首都モスクワで2013年に創設された「StickerRide(ステッカーライド)」は、ドライバーと広告主の企業とをつなぐ広告プラットフォーム。
広告主からのリクエストにより、「StickerRide」が広告キャンペーンのための専用ステッカーを製作し、広告媒体としてマイカーを提供するドライバーを募る。
一方、ドライバーは、スマホアプリ上に掲載されている広告キャンペーンの中から興味のある商品やブランドを選び、専用ステッカーをマイカーに貼り付けて、普段と同様に、走らせる。
マイカーの走行ルートは、GPSを通じて常時追跡され、ドライバーは、走行距離などに応じて報酬が得られる仕組みだ。
広告主は、ウェブサイト上で、広告キャンペーンに参加しているドライバーとその活動状況などをリアルタイムで閲覧できる。
「StickerRide」は、ロシアをはじめとする欧州諸国に加え、2016年6月には、米国にも進出。
これまでに、4万人以上のドライバーが登録し、カミソリ製品の大手ブランド「ジレット(Gillette)」や映画「Marvel(マーベル)」など、「StickerRide」が手がけた広告キャンペーンを通じてドライバーたちが走行した距離は、合わせて300万キロメートルにものぼる。
StickerRide