iPhoneの画面をタップして素早く登録手続きを行うことができ、また万が一の時には端末が臓器提供の意思カードとしての役割を果たす。
・情報がドナーデータベースに
このドナー登録には、臓器提供を推進する米国の非営利団体「Donate Life America」が協力している。
臓器に加え、眼球や組織の提供の意思も登録でき、そうした情報は同団体が管理するドナーデータベースに送られ、管理される。
身近にあるiPhoneで手続きができるようにすることで、ドナー登録、ひいては移植を推進するのが目的だ。
・ロック画面から意思確認
臓器提供は従来、免許証や専用カードで意思表示しているが、iPhoneも同様に意思表示ツールとなる。
というのも、iOS 10のヘルスケアアプリには臓器提供の意思や健康情報をまとめて表示する「Medical ID」機能が加わり、このMedical IDはiPhoneのロック画面からアクセスできるからだ。
なので、ドナー登録した人が事故などに遭ったときにiPhoneを持っていれば、Medical IDを確認することで臓器提供につながる。
ちなみに、このMedical IDにはドナー意思のほか、健康状態、アレルギーの有無、服用薬、血液型、緊急連絡先などが登録できる。
・米国の臓器移植希望者は12万人
iPhoneによるドナー登録は、今秋からまずは米国でのみ利用可能となる。Donate Life Americaによると、米国では現在12万人超が臓器提供を待っていて、その数は10分に1人のペースで増えているのだという。
翻って日本に目を向けると、まだまだドナー登録者は少ないのが現実だ。米国に比べて移植に対する理解が浅いことや制度の問題もあり、このiPhoneでのドナー登録システムをすぐに日本でも、というわけにはいかなそうだが、米国に続いて他国での展開は十分に考えられそうだ。
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