3Dプリンターの技術が日々進歩するなか、ついにお腹の中の胎児の顔の輪郭や細部まで再現できるようになった。
胎児をはじめ、人間の3Dプリンターに手がけるのは、北ヨーロッパのバルト海に面したエストニアの首都、タリンに拠点に置くWolfprint 3D社。先日、ロサンゼルスで開催された電子エンタテイメントエキスポ「E3 2016」への出展を果たした新進気鋭のスタートアップだ。
・テーマは「人間と場所をつなぐ」
注目の3D人形は、2016年2月に発足したばかりの”Luna”プロジェクトの一環として製作されたもの。テーマは、「人間と場所をつなぐ」。例えば、宇宙という場所と自分を結び付けることで、宇宙飛行士としてのもうひとりの自分の登場である。
これまでの製作実績として、1920年代のギャングスターバージョンもあるようだ。
わずか90秒で3D人間が完成
操作はいたってシンプルで、ブースの中にイメージ写真を投入するだけである。すると、データが自動的に読み取られ、3Dモデルが正確に再現される。
データの読み取りに要する時間は平均90秒。特に操作に手間取るというわけでもなさそうだ。
その後は、発注先にモデルを提示し、了承が得られれば即座に印刷を開始。本体の発送の準備が行われる。
・世界のVR、ゲームクリエイターをつなぐネットワークの形成を視野に
"Luna"プロジェクトを発足してから数ヶ月で、米国のハリウッドの映画撮影所と契約を締結するほどに成長を遂げたWolfprint 3D。
将来的には、個々の3Dスキャンデータを一元管理可能なデータベースの構築とともに、世界のVR・ゲームクリエイターをつなぐネットワークの形成を視野に入れたいと同社のCEOのTimmu Toke氏は言う。
VR元年と言われている2016年、エストニアのスタートアップが世界をどう巻き込んでいくのか、今後の動向に注目だ。
LUNA/Wolfprint 3D