同チームではこれまでにも“自然界の生き物から着想したロボット”を開発していて、“障害物を避けて動物のように走る四足獣型ロボット”や、“昆虫から着想した瓦礫だらけのフィールドを動けるロボット”などがある。
・アメンボの動きをじっくり観察
チームではまず、アメンボがどのようにして水面からジャンプするのか分析するため、アメンボの動画を撮影し、構造を理解しようと取り組んだ。その結果、アメンボは真下に最大限の力を働かせながら、同時に水面上をスイーッと前へ進む動きをしているということがわかった。
メンバーの1人Kyu Jin Cho氏によると、「水面には適切な時間、適切なスピードで圧力がかけられる必要があり、ジャンプするためにはある特定の深さに到達しなくてならない。これらの一連の動作ををアメンボは難なくスムーズにやってみせている」という。
何度かの試作を重ね、チームではアメンボロボットの改良を進め、自身の体重の16倍の力を水面上にかけつつ、かつ沈まないロボットの制作についに成功。
・ノミがジャンプする仕組みを参考に
ノミがジャンプする方法を真似てつくられた“カタパルト構造”は、はずむ力と推力の組み合わせで動作し、水面上、地上のどちらでも同じようにジャンプすることを可能にしている。
このロボットのボディは“セルフ組み立て構造”になっており、ちょうど“飛び出す絵本”のような感じで組みあがるという。
少し前は、ロボットは単純な動きしかしないもののイメージがあったが、今後さらに複雑で多様性ある動きや仕組みのロボットが登場してくることだろう。
Wyss Institute at Harvard