しかし、これらを利用する人が皆、本当に自分の感性に合った作品を選んでいるかというと、そこにはいささか疑問が残る。他人の評価を信じて観た結果、失敗に終わったという例は、いくらでもあるからだ。
そうしたリスクを大幅に減らしてくれるのが、この「WATCHA(ウォッチャ)」だ。ユーザー自身の作品評価をベースに、人工知能が映画、ドラマ、アニメをレコメンドするアプリ。これまでに集まった評価件数は、200万件。信頼性の高いサービスとして、映画ファンのみならず、一般ユーザーの間にも、じわじわとその名を浸透させつつある。
人気の秘密は、どこにあるのだろうか。WATCHA、企画・運営の東原 佳那江(ひがしはら かなえ)氏に、話を聞いた。
・高精度な機能によって一人ひとりに合った作品をレコメンド
Q1:サービス提供のきっかけについて、お聞かせください。
“何が自分に合う映画かわからないけれど、失敗はしたくない”といった理由で、見たい映画1本を探すためだけに、何十分も時間を費やしていたり、大手QAサイトでおすすめの映画やドラマ、アニメを教えてほしいといった質問が大量にされているのを見て(中略)、不満を抱いている人が多くいると実感しました。
そこで、このような問題を解決しようと、映画・ドラマ・アニメのパーソナライズレコメンドサービス「WATCHA」を開発するに至ったのです。
Q2:「WATCHA」とは、どんなサービスなのでしょうか。
「WATCHA」は、ユーザーの作品評価情報を分析して、一人ひとりの好みにあった作品をおすすめする、パーソナライズレコメンドサービスです。
従来のサービスにはなかったユーザーの評価情報を元に、まだ見ていない作品の評価を予想する“予想採点”や、ユーザーの好みのキーワード、ジャンルをはじめ、評価分布や今までの映画鑑賞時間といった統計情報が一目でわかる、“好み分析”などの機能を実装しています。
また、サービスの核心でもあるレコメンドの精度に関しましては、機械学習により自動的に改善していくシステム技術を採用しているため、(中略)ユーザーからも高い評価を得ております。
・工夫されたUIで評価情報を巧みに収集
Q3:作品評価件数200万件という驚異的な記録を達成しましたが、ここまでの支持を得た理由は、どこにあると思われますか?
評価情報が集まれば集まるほど、レコメンドの精度が上がっていくような仕組みになっているため、ユーザーの評価情報収集がとても重要になってきます。
そのため、ユーザーが気軽にどんどん評価をつけたくなるように、ユーザーが鑑賞した確率の高い作品を、自動で表示する独自のアルゴリズムで、作品リストを構成したり、星印で簡単に評価をつけられるよう、UIを工夫しています。(中略)
ありがたいことに、気づいたら30分以上評価をつけていたなんてお声もたくさんいただき、現在も順調に評価情報を集めております。
Q4:今後の展開について決まっていることがありましたら、教えてください。
今後は自社独自のレコメンド技術を生かし、マンガや書籍、音楽、ゲームなどの他のコンテンツ分野での、パーソナライズレコメンドサービスを展開していきたい、と考えております。
また、「WATCHA」ユーザーのご意見を大切にしながら、より使いやすいサービスになるよう、引き続きサービスやレコメンド技術の改善に取り組んでいくつもりです。
日本の映画鑑賞料は、1,800円。決して安い金額ではない。払った分だけの満足感を得たい。そんなときこそ、「WATCHA」の出番だ。あなたにぴったりの作品が、きっと見つかるはず。
WATCHA