2012年に“Bill and Melinda Gates Foundation”の“Reinvent the Toilet Challenge”で入賞した、Michael Hoffman氏を中心とするカリフォルニア工科大学(Caltech)の研究チームが開発を進めてきた“特殊なトイレ”が、今度はVodafoneの2015年度の“Wireless Innovation Project”で優勝し、30万ドル(約3330万円)を獲得したという。
・トイレが故障するとアラートを送って知らせてくれる
さて、このCaltechのトイレは一体どんなものなのかというと、トイレに不具合があるとそれを検出し、管理者にテキストや音声メッセージを送信して、トイレを修理するように促してくれるという。
トイレには太陽光で動作する“電気化学リアクター”が搭載されており、汚物の排水処理を管理する。センサーがトイレの現状を常にモニターし、システムが健全に動作しているかチェック。
センサーはメンテナンス用モバイルアプリと連動するようになっていて、水の透明度、圧力、電圧、水漏れの状況をモニター。何か問題が生じると、オートで画像を管理者のスマートフォンへアラート送信してくれる。
・メンテナンスを最小限に
また、ディスプレイに“修理方法を教える動画”を表示して、故障箇所をどのように直したらいいのか、修理する人は映像を見ながらステップごとに作業を進められる。そのため、熟練の修理工をいつも呼び出す必要はない。
公衆トイレは半年に1度くらいの周期で故障が起きる傾向があり、メンテナンスにかかる人的負担、人件費を最小限に抑えることが、大きな目標のひとつだという。
チームでは、中国、インド、南アフリカなどの地域でフィールドテストを実施し、改良を進めていきたい意向だ。電力がない地域でも衛生的なトイレが利用できるメリット、メンテナンスを最小限に抑えられるというメリットは大きく、世界の人々の暮らしに貢献してくれることだろう。
Caltech toilet