これは、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(以下、「UCL」)のインタラクティブ建築研究室内において発足した「地球再生(Earth Rebirth)」プロジェクトの一環として制作されたものである。
・人間と自然との共存がテーマ
同プロジェクトでは、自然(自然資源を含む)と対峙する「人間」、それに対しその人間と同様、自立的かつ社会の一員として振る舞う「植物」という両者の関係を明確にしたうえで、人間と植物(総体としての「自然」を包含する)との共存をテーマに取り組んでいる。
そして、そのプロジェクトの一環として考案されたのが、この正多面体の形をした球体だ。
・球体の中から植物の声が
我々人間が普通に動くことができるのは、脳内の神経系から電気信号が送られているためである。
同様のメカニズムが植物にも働いていると考えた研究メンバーら。植物の表面に電極を取り付け、植物から出る信号を測定。その後、信号増幅器を用いて読み取り可能な測定値へと変換し、周波数に置き換え、植物の声を聞けるようにした。
・ウェブの遠隔操作で植物が自由自在に動く
球体の動きは、ウェブ上の遠隔操作により管理されている。球体の中の植物の脚の部分にはセンサーが付いており、温度や湿度、振動といった環境の変化を感じ取る。
センサーにより感知された情報はウェブ上の管理人に送信される。そして、環境が植物に適していないと判断された場合には、ほかの場所への移動が命じられる。
脚の部分を覆う膜は柔らかい素材でできている。環境条件に応じて脚を開閉することができる。
Hortum machina, B