「UnlimitedHand」は、ゲームの常識を覆す、触感型コントローラー。モーションセンサーと筋変位センサーアレイによって、ゲーム内の衝撃を感じたり、キャラクターに触れるなど、ユーザーに擬似的な体験を与える驚きのデバイスだ。
開発元は、2012年設立のH2L。米TIME誌“未来を変える50の発明 2011年”にも選出された注目株。今最もその活躍が期待される、スタートアップ企業だ。
テッカブルでは、代表取締役の岩崎 健一郎(いわさき けんいちろう)氏を直撃。製品にまつわるさまざまな話を聞いた。
・銃の反動も体感できる!
Q1:まずは、「UnlimitedHand」開発のきっかけから、お話しください。
もともと当社では、機能的電気刺激装置“PossessedHand”を研究者向けに開発、販売しておりました。
これはベルト状の電極から前腕に電気刺激を与え、指を一本一本制御する装置です。手首にある動作を与えると、反動のような感覚が得られるのですが、これをゲーム向けに応用できないかと考えたのが、開発のきっかけです。
Q2:製品の詳細について、教えてください。
「UnlimitedHand」は、腕に巻くだけでコンピュータに手指の動きを入力でき、銃の反動といった“触感”も出力するデバイスです。加速度ジャイロセンサーと筋変異センサーの組合せで、ジェスチャー入力を可能にしています。
また、前腕の筋肉に電気刺激を与えて、手首や指を動かし、仮想的な触感(体性感覚)を得ることもできます。開発自体は、ArduinoやUnityといったオープンプラットフォームで行えるので、開発中のゲームに、簡単に組み込めるようになっています。
・一般販売に向けて各社と協議中
Q3:本品は、ゲーム業界にどのような変革をもたらすのでしょうか。
近年盛り上がりを見せているVRゲーム市場ですが、視覚向けのHMDばかりが発表されています。現状では、“見ることはできても、触ることができない”と言えるでしょう。
その点「UnlimitedHand」は、触る感覚をVRゲームに加えられるため、より没入感の高いゲームの開発を可能にします。
Q4:現在は開発者向けキットのみとのことですが、一般ユーザーへの販売は視野に入れているのでしょうか。
一般ユーザーへの販売は、もちろん視野に入れています。「UnlimitedHand」を活用したコンテンツが楽しめるよう、各社と協議中ですので、ご期待下さい。
どうやらゲームファンの手元に本品が届くのも、そう遠い話ではない模様。あれこれ想像しながら、楽しみに待つとしよう。
UnlimitedHand