・ロボットの正体は?
ゴールドの法衣を身に纏ったそのロボットの名前は「Xian’er」。北京市郊外にある龍泉寺の住職、Xianfan氏と、人工知能を専門とする中国国防科学技術大学の研究者とのコラボレーションにより誕生したミニ僧侶ロボットだ。遼朝(907~1125年)の時代より続く龍泉寺は、昨今僧侶や一般の人々に仏教の教えを広めるための場所として生まれ変わった寺院であり、これまでも仏教の普及にマンガを活用するなど、変わった取り組みで人々を魅了してきた。
・何のためのロボット?
僧侶ロボットと言えども、葬儀や法事を代行するわけではない。もちろん、お経を唱えるが、主たる目的はそれではない。1930年代に比べ、人口10万人当たりの僧侶の数が著しく減少した中国において、仏教の教えをより多くの人々に浸透させようという任務を果たすべく登場した、言わば仏教の伝道師なのだ。
ただし、僧侶ロボットの狙いはもうひとつある。そもそも「仏教」と「科学」は相反する概念である。開発者のひとりであるXianfan氏は、「科学」と「仏教」との相互融合性、つまり科学の世界における仏教の可能性の模索も視野に入れているようである。
・何でも言うことを聞いてくれる
Xian’erは言う通りに動いてくれる従順なロボットだ。また、単純な内容であれば、会話も可能である。例えば、「愛とは何ですか?」とか「生きることの意味について教えてください」とロボットに向かって話しかけると、適切な応答が返ってくる。今後、さらに機能が追加されたうえで再登場予定である。
Xian’er