そう。これまでSF映画でしかお目にかかれなかった“人工知能”は、もはや現実の話。必要機能の1つとして、私たちの生活に当たり前のように寄り添っているのだ。
そんな状況下で生まれたのが、「ピクレトリ」だ。人工知能の主要技術である言語理解を用いたリマインダーアプリ。うっかり忘れの防止をメインに、日常生活で気軽に使えるサービスを作り上げた。
開発元は、2012年創業のNextremer(ネクストリーマー)。同社高知AIラボ代表/エンジニアの興梠 敬典(こうろき たかのり)氏に、話を聞いた。
・話しかけるだけで必要時にリマインド通知
Q1:製品開発のきっかけについて、お聞かせください。
弊社は人工知能テクノロジー使った、対話システムの開発を行っています。(中略)これはその前段で、これまで開発してきたものの適用領域の可能性を探る、自然言語処理エンジンを応用したアプリケーションとなります。
弊社の対話エンジンの特徴として、“場所に関する発話に強い”というのがあるので、それを生かしつつ、日常的に使ってもらえる便利なもの、かつ日頃既存の鉄板アプリを利用しなさそうな人々にも使ってもらおうと。そこから、「ピクレトリ」の最初のアイディアが生まれました。
Q2:「ピクレトリ」とは、どんなアプリなのでしょうか。
ユーザーの“あ!忘れてた”をなくすお手伝いをしてくれるリマインダーアプリで、老若男女問わず、幅広い層を対象としています。
近所のスーパーやコンビニで買いたいものがあったのに、すっかり忘れて家に帰ってしまった。誰しも経験のあることではないでしょうか。このアプリは、いつ・どこで・何をしたいのか、話しかけるだけで登録ができ、日時や場所でリマインド通知をしてくれます。
友達や家族を“マイとも”として登録しておけば、さらに便利です。“マイとも”がどこかに出発・到着したときの位置情報を元に、ユーザーにリマインドが通知されるので、コミュニケーションツールとして、使っていただくこともできます。
・試行錯誤を重ねて開発
Q3:開発にあたって最も苦労したのは、どんなところでしょうか。
自然言語処理部分、位置情報通知の安定稼働/電力消費問題の解決については、当然のことながら苦労しましたが、意外にも“自然言語入力だからこそ起こるUXに関連する課題”が多かった(今も多い)です。特に“自然言語による入力結果を、どう見せるか”について、熟慮しました。(中略)
このような問題を解決するために、どう自然言語で登録した内容をユーザーに伝えるか、そして使いやすいUI/UXにするのかについて、開発チームでブレストをたびたび行いました。さらに、身近な人にテストしてもらってフィードバックをもらうなど、開発にあたって試行錯誤を重ねました。
そういった苦労が実を結び、ユーザーテスト/フィードバックでも、“使い方がシンプルでわかりやすい”という反応をもらっています。
Q4:今後の展開で決まっていることがありましたら、教えてください。
使いやすさの向上、そして先に述べた“マイとも”機能のさらなるアップデートに向けて、鋭意開発中です。
“マイとも”機能は、QRコードをスキャンするだけで、友達や家族をマイともとして登録できますが、現状リマインドの通知が届くのは登録者のみです。今後はリマインドが双方に通知される機能を追加して、双方向でのコミュニケーションを、可能にしていきます。
多くの苦労を重ねて誕生した「ピクレトリ」。興梠氏の言うように、かなり使いやすくなっている。ダウンロードは無料。技術の結集をぜひ、体験していただきたい。
ピクレトリ