・“真空成形”で“型”を成形する
樹脂フィラメントを溶かしてレイヤーごとに出力して成形する方式が一般的だが、「FormBox」では“真空”の力を使って“型”を成形し、“型抜き”することで立体物をつくるというものだ。
“真空成形”は、工場などで用いられてきた伝統的な技術。その技術を活用し、デスクトップサイズにしたものがこの「FormBox」。
・使うのは電気掃除機
では、どうやって一般家庭で真空状態にするのかって?それは、各家庭に1台はあるであろう電気掃除機を用いるのである。
出力したい形のモデルとなる“3Dテンプレート”は、玩具でもこねた粘土でもいいし、好きな形にカットしたジャガイモやバナナなんかでもよい。アイデア次第で使い方は無限に広がる。
使用手順はこうだ。まず、“型”の材料となるプラスチックシートを本体にセット。次に、出力したい形のモデルとなる“3Dテンプレート”を用意し、プリンターのベッドに配置する。ヒーターのスイッチをオンにし、プラスチックシートを熱する。
熱されたプラスチックシートを、3Dテンプレートにかぶせ、掃除機のスイッチをオンにし、3D成形をおこなえば“型”は出来上がり。
・“型”にコンクリートやチョコレートを流し込めば…
出来上がった“型”には、樹脂、氷、石鹸、コンクリート、しっくい、シリコン、ゼリー、チョコレートなど、いろいろな素材を流し込むことで、幅広い立体物をつくれる。小さな植物の鉢をつくったり、メッセージボードのようなチョコレートをつくったり。家族や友人向けのプレゼントにしても楽しいし、スモールビジネスとして販売したりもできるだろう。
・Kickstarterで大人気
何ともユニークで楽しそうなこのツールは、現在Kickstarterで6月4日まで出資を受付中で、目標金額5万ドル(約534万円)のところ、すでに26万ドル(約2822万円)近い資金を集める人気ぶりだ。
FormBox