近年晩婚化と晩産化にともない、不妊に悩むカップルが増えている。女性ではなく男性に不妊の原因があるケースがあるものの、男性用の不妊検査は現状あまり一般的ではなく、検査を受けた経験がある男性は少ない。
そんな現状を打破するべく、リクルートライフスタイルが男性不妊専門医の監修の下、臨床試験を行い、自宅で手軽に精子の状態をセルフチェックできる『Seem』を開発した。Techbleでは開発元のリクルートライフスタイルにインタビューを敢行。前代未聞のこのアプリに迫ってみた。
社内のスタッフが利用してみて使い勝手を検証
Q1:どのようなアイディアでこのアプリを作ったのでしょうか?
近年、不妊に悩むカップルが増えていますが、女性が主体的に妊活・不妊治療を行うケースが多いことが現状です。WHOの調査では不妊の原因の約半分は男性にあると言われていますが、あまり知られておらず、男性が医療機関で精液検査を受けるには心理的抵抗や時間的制約など様々なハードルがあることもあり多くの男性は検査を受けた経験がありません。
スマホで手軽に精子の状態をチェックできるようにすることで、男性の医療機関受診のきっかけをつくり、男性の妊活・不妊治療に対する意識や行動変化の実現を目指したいと考えています
Q2:かなりお金がかかったプロジェクトかと思います。開発にどの程度治験を行いましたか?
男性不妊について考えるきっかけをアプリで提供したいというアイデアから始まったものですので、それを実現するには技術的なハードルが想像以上に大きかったです。特に、リクルートライフスタイルとしてもこうしたハードの開発経験が少ないため、社内外の開発パートナーの皆様からの協力を得ながら、慎重に開発を進めました。
レンズの開発はプロトタイプを繰り返し作り改善を重ね、専門病院での長期間の臨床試験を実施して測定精度の検証を行っています。出来上がった商品については、実際に社内のスタッフが利用してみて使い勝手の検証も行っておりますので、広範囲のサポートがあってこそ出来上がったと考えています。
世界的にも例がないプロダクト!
Q3:Appleさんの審査などでは苦労しましたか?
世界的にもあまり例がないタイプのアプリであり、また、アプリだけで完結するプロダクトではないためAppleさんとの審査のやり取りではその辺りに注意をしながら進めました。
Q4:キットの値段はどの程度を予定していますか?
今回の期間限定販売においては、500個のみ5000円(税抜き)での提供となりますが、今後、全国販売を目指して販売価格は見直していきます。
値段も病院までいく手間や時間を考えると値段はかなり安いと言っていいだろう。今後の「Seem」の動向に期待したい。
スマホで精子の濃度と運動率が測れるサービス『Seem(シーム)』を開始