中でも今後最も飛躍する可能性を秘めているのが、コンピューティング。その最良の施策は、幼い頃からコーディングを学ぶ環境を整えることにある。
・コーディングによってフラットな面を走るよう設計
ハーバード大学ウィス研究所が開発した「Root」も、その教育施策の一環だ。コーディングの基礎を習得するロボット型の学習ツールで、小さな子どもでも飽きずに学べる工夫が、随所に凝らされている。
「Root」は、磁気によってホワイトボードや机、床など、フラットな場所での駆動が可能。底面に内蔵されたジャイロスコープ、加速度計からのフィードバックを使用し、正確な距離と角度を移動していく。
ユーザーはロボットを駆動させるため、専用のタブレットを使ってコーディングしていく。しかし、別に堅苦しく考える必要はない。システムはフレンドリーで直感的。若年層が親しめるよう、アプリのようなUIにしてある。
・目標は全教育機関での活用
特別なセッティングは一切なし。平らな場所があれば、どこでも対応可能だ。プロモーションビデオでは教育現場を想定し、ホワイトボードの活用を紹介している。
カラースキャナー機能を持つ「Root」は、32種類の色を認識。ビデオにも、ホワイトボードの表面にラインを描き、その上をたどっていけるよう、プログラミングする光景が映されている。
ウィスチームの狙いは、この「Root」を本国内すべての教育機関で利用できるようにすること。現在はその目標に向けて、カリキュラムを作成中だという。コーディングロボットが学校の壁面を滑る日も、そう遠い話ではないだろう。
Root/Wyss Institute