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葉っぱがナトリウムバッテリーに変身!?米大学が蓄電に成功

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スマートフォンなどの電子デバイスにはバッテリーが欠かせないが、現在主流なのがリチウムイオンバッテリー。

それに替わるバッテリーとして、ナトリウムを使った技術研究が進められている。

・木の葉がナトリウムバッテリーに!


Hongbian Li氏らを中心とした、メリーランド大学と北京の“National Center for Nanoscience and Technology”の研究チームが取り組んでいるのは、“自然素材を活用したバッテリー”。チームではさまざまなテストの後、“オークの葉”を用いたナトリウムバッテリーの生成に成功したという。

理論的にはナトリウムはリチウムと比べて、より多くの電荷を保持することができるはずだが、充電&放電サイクルの処理がなかなかうまく実行されていないのが実態だった。

ナトリウムに適合する陽極となる素材が必要になるものの、リチウムイオンバッテリーに用いられる黒鉛の場合、ナトリウムはリチウムに比べてイオンの大きさがずっと大きいため合わず、新素材グラフェンは生成に時間とコストがかかりすぎる。

そこにくると、自然素材のオークの葉は、狭いスペースに小さい構造が密集しており、サイズや形状がナトリウム電解質に適合していることがわかった。

・熱処理を施し、炭化させる


乾いた葉に1000度の高温で1時間、酸素が少ない媒質内で熱分解処理を施す。これにより、電気化学反応を妨害するような無機不純物が除去される。その後6時間、塩化水素に浸しておく。

こうしてできあがった“炭化葉”だが、葉の裏面には、水を吸収したり、気体を交換したりする“気孔”が残っており、これがナトリウム電解質を吸収する役割を果たす。

葉表面の炭素の層は、“ナノ構造炭素のシート”のような状態になっていて、平らで密な構造は、ナトリウムを吸収し、充電を実行しやすくなっている。

・実験では、90%の放電容量をキープ


コインバッテリーを実験に用いてみたところ、1グラムあたり360mAhの電力貯蔵ができたという。また、“葉の電極”は200サイクルのチャージの後、90%の放電容量をキープ。

・環境問題にも寄与


材料が自然由来の木の葉なので手に入りやすく、リサイクルや環境問題に影響が少ないのも大きなアドバンテージだろう。“未来のバッテリー”が私たちの生活を大きく変えることになるかもしれない。

University of Maryland

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