米FBIが、Appleに対して銃乱射事件の容疑者の所持していたiPhoneのロック解除を求めている問題が大きな注目を集めたのは記憶に新しい。
国家とiPhoneのどちらのセキュリティを優先するか、という非常に難しい問題で、報道によると米国の世論も2つに割れているという。
本件にも絡み、改めて注目集めているキーワードが「暗号化(encryption)」だが、折しもスタートアップ企業のPeerioが、暗号化メッセージアプリのiOS版およびAndroid版をローンチした。
・メッセージ送信、グループチャットなどが全て暗号化
昨年1月にデスクトップ版としてリリースされ、その後もアルファ版、ベータ版として開発が続けられていたPeerio。
モバイルアプリはデスクトップ・クライアントが持つ全ての機能をカバーしており、メッセージ送信、グループチャット、ファイルのシェアやクラウド保存などがエンドツーエンドで暗号化される。
・ソースコードはGitHub上で全て公開中
指紋認証機能を搭載したデバイスであれば、ワンタッチログインもできるとのこと。
また、モバイル版でも「messages」「files」「contacts」という使いやすい3つのタブ表示を引き続き採用。一方その裏で、アプリのパフォーマンスを改善するために中心的なAPIは書き換えたということだ。
Peerioを開発したNadim Kobeissi氏は、これまでにも暗号化チャットアプリやファイル暗号化ソフトなどを手掛けてきた人物。2014年に現在の会社を設立し、現在はモントリオールに拠点を置いている。なおアプリのソースコードはGitHub上で全て公開中。
日本では著名人のメッセージ流出が大きく取り沙汰されるなど、なにかと話題になるメッセージアプリ。日頃から、高いレベルのセキュリティが求められる情報をやりとりしている方は、一度試してみてはどうだろうか。
Peerio