そんな飼い主たちの思いをかなえるのが、この「INUPATHY(イヌパシー)」。犬の生体情報を感知して、精神状態を分析する世界初のプロダクト。健康管理をしながら、犬について新たな気づきや洞察が得られるという、画期的な製品だ。
現在、Indiegogoで資金調達に臨んでいる本品。開発を手がけたイヌパシー、代表取締役の山口 譲二(やまぐち じょうじ)氏に、話を聞いた。
・きっかけは愛犬の怯え症
Q1:まずは、「INUPATHY」開発のきっかけからお聞かせください。
私の愛犬あかね君が怯え症だった頃に、どうすれば彼のストレスを確認して、軽減してあげられるかを、考えたのがきっかでした。
学べば学ぶほど犬の世界は深く、見た目だけでは判断できない部分が、たくさんあることが分かりました。一方、犬は私たちの内面を、いともたやすく見抜きます。これは彼らが私たちの中で起こっている変化を、鋭い聴覚や嗅覚を使って、知覚しているからだと思います。
「INUPATHY」は、そうした犬の中で起こっている“心拍の微妙な変化”を可視化するために、生まれたものです。
Q2:「INUPATHY」とは、どんなプロダクトなのでしょうか。
「INUPATHY」は、犬の心音を検知するセンサーを持っています。今回新たに毛を剃らなくても使える、簡易心拍計測を発明しました。そのセンサーで得た情報を解析にかけ、犬の状態を飼い主さんがパッと見でわかるように、色で表示します。
「INUPATHY」は、犬の翻訳機ではありません。飼い主さんが愛犬の様子と「INUPATHY」を合わせることで、新しい発見があり、付き合い方が深まる、そういうものを目指しています。こういうことをすると落ち着くとか、こうすると喜んでくれる、といったことを、より効果的に学べるようになるのです。
・犬語翻訳機でなはく、犬への学びを深めるもの
Q3:開発の過程で最も苦労したのは、どんなところでしょうか。
これまでの世の中にないものを作る取り組みだったので、あらゆる面で苦労しました。センサー作りは困難を極めましたし、それを快適に装着する仕組み作りも大変でした。解析ロジックの開発にも、大いに苦労しましたね。
しかし、最も苦労したのは、コンセプトを理解してもらうことです。安直な“犬語翻訳機”というコンセプトが浸透しすぎていて、“犬への学びを深めるためのもの”であるというメッセージが、なかなか伝わりませんでした。今、ようやく少しずつ本当の狙いを、理解してもらえるようになってきたと思います。
Q4:資金調達後の展開について、教えてください。
犬を愛玩動物という新たな使役動物にするか、彼らと家族になれるかの別れ道がある中で、後者の未来を開いていく手伝いをしたいです。(中略)
人間は、愛に関することを学ぶのに、犬よりずっと時間がかかるのです。犬から学ぶのに20年かかるとしたら、それに犬2、3匹分の一生を費やしてしまいます。
奇妙な発想かもしれませんが、私は人間が相手をより深く知る術を身につけて、より優しくなれるように、テクノロジーを使いたいのです。
クラウドファンディングでは、早割価格149.99ドル(約1万6,990円)にて提供。もちろん、日本からの購入も可能だ。愛犬家の皆さん、出資を検討してはいかがだろうか。
INUPATHY