しかしながら、一般的な地図アプリは、時間効率を優先するあまり、必ずしも、快適に楽しみながら歩けるよう配慮されたルートを案内するとは限らないのが現状だ。
・ユーザーの好みや関心に合わせた独自ルートを案内
「Likeways(ライクウェイズ)」は、英ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)の博士課程に在籍するMartin Traunmueller氏が開発したナビゲーションアプリ。
最短ルートだけでなく、ユーザーの好みや関心に合わせて、街を楽しく散策するためのルートを検索できるのが特徴だ。
レストラン・ショップ・美術館など、関心のあるジャンルを指定しておくと、その関連スポットを網羅した目的地までの独自のルートを自動的に生成。
この独自ルートには、各スポットのフェイスブックページへの「いいね!」数など、ソーシャルメディアデータが反映される仕組みとなっている。
・都市のウォーカビリティ向上にも貢献!?
近年、とりわけ都市部では、地球温暖化や大気汚染の防止のみならず、住民の健康や生活の質の向上の観点から、歩きやすさ、すなわち“ウォーカビリティ(Walkability)”が、重視されるようになってきた。
地域住民や観光客が「Likeways」を活用して街を散策する機会が増えれば、隠れ家的スポットを偶然見つけるなど、最短ルートでは味わうことのできない街の楽しみをより多く体験でき、地元の事業者にとっても、新たな顧客獲得のきっかけとなる。
ウォーカビリティの向上には、歩道の整備といったインフラ面のみならず、「Likeways」のように、徒歩による街の楽しみ方を具体的に示す仕掛けや仕組みも、必要な要素なのかもしれない。
Likeways