カナダのスタートアップMetaOptimaが開発している「Molescope」は、皮膚がん発見をサポートする、皮膚検査のための医療デバイスだ。
・スマホのレンズに取り付ける
スマートフォンに取り付けるアタッチメントツールで、カメラレンズにクリップのように取り付ける。すると、カメラで高精細のカラー画像が撮影できるようになり、皮膚の異常を鮮明に記録することが可能になるという。
専用のiPhoneアプリが用意されていて、皮膚がんのリスクをいち早くキャッチするため、ユーザーがセルフ診断をするためのガイドをしてくれる。
月1回、頭からつま先まで自己診断をおこない、ほくろ、そばかす、しみ、傷の写真を撮影する。
ある程度の期間に渡って記録データを残すことで、より強固な皮膚診断の情報ソースが確立していく。
・画像は医師へと送信され、リモートチェックされる
撮影画像はかかりつけ医へと送られ、リモートチェックされる。アプリはセキュリティ面にも配慮されているので、安全にプライベートな写真を医師へと送信できるし、患者はわざわざ病院へ足を運び、長い待ち時間に時間を費やすこともない。
患者としては、大型で場所をとるような専用の機器は必要ないのもメリット。「Molescope」をセカンドオピニオンとして活用することもできる。
医師側は、緊急性の高い症例にいち早く気づき、素早い処置がおこなえるようになり、患者のマネジメントもしやすくなるというメリットがある。
ただ注意したいのは、「Molescope」は皮膚がんを診断するツールではなく、あくまで診断補助ツールという点。
とはいえ、迅速なやり取りが可能になること、精細な画像や整理された情報は、医師の診断をしやすい環境を整え、処置のミスを防ぐのに役立つはずだ。
・早期発見が何よりも大事!
皮膚がんは、早期に発見されれば約98%の生存確率が見込める病気で、とにかく素早い発見と治療が何よりも肝要。
「Molescope」は、米国食品医薬品局に認可されており、クラウドを介して患者と医師をつなぐ医療ネットワークとしての役割が期待される。
ただ、現状ではiPhoneのみに対応しており、Androidや他デバイスには対応していないのが残念な点だが、今後Androidへの対応も検討しているという。
・個人用、医療専門家用の2バージョンを用意
個人利用のための「Home Edition」と、医療専門家向けの「Medical Professional Edition」の2バージョンが用意されており、価格はそれぞれ149カナダドル(約1万2400円、1年間クラウド使用は無料)、249カナダドル(約2万700円、半年間クラウド使用は無料)となっている。
Molescope