2003年ごろまでコンコルドと呼ばれる高速移動が可能な旅客機が一部路線に採用されていたが、採算が合わなかったり、環境問題などの問題から、撤退を余儀なくされたことがある。
飛行機の高速移動は進歩が止まっている分野ではあるが、コンコルドよりも12倍速いというロケットブースターやスクラムジェットエンジンを搭載した飛行機「Antipode」のコンセプトが、工業デザイナーのCharles Bombardier氏によって発表された。
・大気中の酸素を燃やして高速移動!
計画ではAntipodeにはロケットブースターが搭載される予定で、高さ1万2000メートルの圏界面を飛行し、スピードはマッハ5に達するという。
すでにアイディアが発表されているSkreemrと同様にスクラムジェットエンジンが搭載される予定だが、このエンジンは大気に含まれる酸素を燃やして飛行する計画で、大量の酸素が入ったタンクを機体に搭載する予定はないとういう。
・果たして実現するのか?
高速飛行を行える乗り物のアイディアは頻繁に登場するが、問題は何といっても安全性。コンコルドが撤退を余儀なくされた原因の一つも事故と言われている。
Antipodeはマッハ5にも達するので、移動中の温度は摂氏980度になり、これは物体が温度に耐えられるギリギリの温度。
さらには物体の高速移動時にはソニックブームと言われる衝撃波が発生し、大きな音が聞こえたり、衝撃波が物体を壊してしまうケースもあるので、上空で高速移動を行うのは好ましくない。
しかし、既にCharles Bombardier氏は問題の解決策を考えている。米国国防省やNASAの技術サポートを行うWyleのメンバーとコンタクトを取っており、問題解決に向け機体を冷やす技術や高速移動時に発生するソニックブームを破壊する技術について話し合いを持っている最中とのこと。
NASAは乗組員がいないスクラムジェットの飛行実験を2013年に成功させているが、人が乗った状態で実用化できる安全性があるとは言い難い状況ではあるので、将来的に実用化されるかは分からない。
The Antipode: Flying from New York to London in 11 minutes