そんな作りすぎた料理を有効活用しようとスタートしたのが、イギリスの「Casserole」というコミュニティネットワークだ。「Casserole」では会員登録をすると、自分の作った手料理を“Menu”に投稿をすることができ、どんな料理なのか、いつどこで誰が作り、何人分提供可能なのかをサイトで提示する。忙しくて料理を作る時間がない人、高齢者や体が不自由な人など、料理を探しているユーザーは、おいしそうな料理を選んで注文することができる。また、「住んでいるエリア付近」、「誰が料理を作っているか」という条件で検索をすることもOK。
さらに、料理の作り手と、料理の利用者を結びつけ、料理の定期利用ができるようになる「Pair Up」というサービスも用意されている。料理の作り手側は「Pair Up」にサインアップし、料理を提供できる頻度、価格をサイト側に知らせると、マッチングをしてくれるというシステム。この場合、いちいちその都度料理の投稿をする手間は不要だ。サイトによると、「Pair Up」のサービスを利用しているユーザーは、80才以上の高齢者だという。
「Casserole」のサービスは現在のところ、イギリスSurrey州のReigate、Bansteadエリア内のみで利用でき、これまでに60以上の料理が交換されているという。「食べ物を無駄にしない」という美徳は、洋の東西を問わず同じようだ。このように地元に根付き、日々の生活に密着したコミュニティネットワークは、高齢化社会化が進む日本の社会でも、待たれるサービスかもしれない。
Casserole