食生活の変化によって、近年ではアジア地域でも、年々太り過ぎの児童が増加。生活習慣病の早期発症が、懸念されているほどだ。
これを解決するには、食生活の改善が一番。しかし、ただ食べ物を変えるだけでは、子どもたちだって戸惑ってしまうし、本当の意味で改善にはならない。
大切なのは、食事の楽しさを伝えること。食をあらゆる面から捉え、どのような過程を経て、自分たちのもとへ届くのか、身を持って知るところにあるのではないだろうか。
・食育のためのインタラクティブな自立キッチン
技術先進国ドイツでは、この問題に着目したプロダクトを考案。デザインスクールの学生、Tobias Tsamisis氏による、食育のためのユニークな大型キッチンが発表された。
「Future Classroom」と名付けられたそのキッチンに採用されているのは、アクアポニックス。植物や魚が、互いの恩恵を受けて、一緒に生活しているシステムである。
キッチンには、大型の水槽と水耕栽培用のファームを装備。ここで、実際に観察しながら、魚と植物の生態系を同時に学ぶことができるのだ。
・タッチスクリーンで対話しながら知識を吸収
アクアポニックスのすぐ横が、調理領域。こちらは使わないとき、非表示にしておける。
調理領域の隣には、タッチスクリーンを設置。子ども同士がシステムを利用して、さまざまな知識を得られるようになっている。ITを効果的に取り入れているところは、この時代ならではの感覚だ。
「将来的には、全国の小学校で食育の中心的要素として、活用してほしい」というのが、Tsamisis氏の願い。期待のシステムとして、Electrolux Design Lab competitionでも、大きな反響を得ている。ただし、実際に製品化されるかどうかは、今のところ未定。
Future Classroom/Electrolux Design Lab