しかし、ピュー研究所によると、米国の新聞業界では、2014年の広告収入が10年前の2004年に比べて約60%も減少するなど、ウェブメディアが台頭するにつれて厳しい経済状況に置かれている。
オハイオ州の「シンシナティ・ポスト」やメリーランド州の「ガゼット(The Gazette)」など、地方紙を中心に休刊に追い込まれるものも少なくない。
・地区ごとに情報を発信する、超ローカルなニュースサイト
サンフランシスコでは、ローカルエリアに特化したニュースサイト「Hoodline」が、地元の情報メディアとしての役割を担いはじめている。
市域レベル以上の情報を扱ってきた従来の地方紙と異なり、Hoodlineは、カストロ地区、SoMa地区、ファイナンシャル地区など、市域よりも小さい“地区レベル”でニュースを発信しているのが特徴。
現在、サンフランシスコ市内の24地区を網羅し、各地区で発生した事件・事故や、地元のイベント、飲食店をはじめとするローカルビジネスなどを採り上げている。
・新たに進化する、ローカルな情報共有のかたち
米国の「NextDoor」や、英国の「Streetlife」、オーストリアの「FragNebenan」など、地域コミュニティに特化したソーシャルメディアネットワークの活用が、近年世界各地ですすめられている。
従来の地方紙が慢性的な不況に悩まされる中、これら地域住民をつなぐソーシャルメディアネットワークとHoodlineのようなローカルな情報メディアが組み合わされていけば、地域レベルの情報共有が、新しいかたちで進化していきそうだ。
Hoodline