米国では、食料生産量の30〜40%に相当する食料が消費されないまま廃棄されているのが現状。
米農務省と環境保護庁は、2015年9月、米国政府として初めて「2030年までに米国内の食料廃棄量を50%削減する」という目標を掲げ、国をあげて対策に取り組むことを明らかにしている。
・消費期限切れ間近のお買い得商品をチェックできるアプリ
そんな流れの中、注目されているのがニューヨークでリリースされたアプリ「PareUp」。
消費期限切れ間近の食品を割引価格で販売する地元の事業者と一般消費者とをつなぐ、オンラインプラットフォームだ。
具体的には、まず事業者がPareUp上で商品の在庫状況を毎日更新。割引価格で販売したい消費期限切れ間近の食品を、その都度発信することもできる。
消費者は、PareUpのスマホアプリを介して、消費期限が迫る商品の“お買い得情報”をチェックし、各店舗で買い求めるという流れ。
事業者は、従来廃棄せざるをえなかった商品を割引価格で販売して収益を得ることができる。一方消費者は、欲しい食品を安く買うことができ、結果として、食料廃棄量の削減にもつながる仕組みだ。
PareUpは、現在ニューヨーク市のみを対象としているが、今後は米国内外にエリアを拡大していく方針だという。
・事業者と消費者の双方に食料廃棄量削減への動機付けを
フランスでも、大手スーパーマーケットを対象に、賞味期限切れなどの理由から販売できなくなった食品の廃棄処分を禁じる法律が2015年5月に制定されるなど、昨今米国のみならず、世界各国で、食料廃棄量の削減に向けた取り組みが進んでいる。
PareUpは、事業者と消費者の双方にメリットを与え、従来の食の消費スタイルを改善し、食料廃棄物削減への動機付けを実現している点が秀逸といえるだろう。
PareUp