・スマホやタブレットを使った、病気診断装置
オーストラリアのCentre for Nanoscale BioPhotonics(CNBP)が開発している医療装置もそんな1つで、体液サンプルを用いて、関節炎、嚢胞性繊維症、膵炎などの病気の診断を、これまでより手軽におこなえるようになるという。
用いるのは、スマートフォン、タブレット、ポラライザ、それらをまとめてセットするための箱というシンプルなもの。
・体液サンプルに、特殊な染料を加える
この診断装置では、特殊な染料が加えられたサンプルにまぶしい光を当てると発光する性質をもつ、蛍光性バイオマーカーを使った顕微鏡検査の手法が用いられている。
臨床医はまず、タブレットスクリーンの上に配置されたマイクロウェルプレートの中に、染料を加えた体液サンプルを入れる。サンプルが入ったプレートの各区画の上には、ポラライザガラスをセット。
箱の上部にスマートフォンを置き、スマートフォンのカメラレンズがちょうどポラライザガラスの上に来るように調整しておく。
タブレットの電源がオンになると、光がスクリーンから照射。ポラライザは蛍光性バイオマーカーが発光する手助けをする。
・スマホアプリが測定結果を分析
スマートフォンの専用アプリが、色、蛍光の強さなどを分析し、即座に読み取り結果を出す。これらの観測結果は、病気を診断するための重要な判断材料となる。
通常、このような蛍光性テストを実行するとなると、専門機器を取り揃え、結果を分析する専門家が所属する専門のセンターで分析されることになり、何万ドルという高額な費用がかかってしまう。
・シンプルな手法でテストができ、コストも大幅に削減
CNBPのこのような装置なら、必要最低限の機器、身近なデバイスでテストができるというメリット、シンプルな手法で、迅速に分析結果を出せるというメリットがあり、コストを抑えつつ、より多くの人が診断を受けることが可能になる。発展途上国や僻地での医療診断に役立つことだろう。
CNBPのサイトで、無料のアプリをダウンロードすることができる。
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