水はすべての生命にとって、必要不可欠なもの。その存在が証明された今、火星で生物が生きられる可能性は、ますます濃厚になったということになる。
偶然か否か、このニュースと前後して登場したのが、日本人建築家を含むデザインチームによる「MARS ICE HOUSE(火星の氷の家)」。
NASAが主催したデザインコンテスト“3D Printed Habutat Challenge”にて、見事第1位を獲得。全米のメディアから、注目を集めている。
・火星の氷を3Dプリントしてその場で建築!
「MARS ICE HOUSE」の建築コンセプトは、火星の水を用いた氷の壁で、放射線を防ぐというもの。多数の応募作の中で、氷に着目したのは同グループだけだったそうだ。
さらに斬新なのは、現地での建築を大前提としている点。実際に火星へ行って素材を3Dプリントし、その場で建物を築いていくところが、本プランの要だ。
平均気温マイナス40度の火星は、地球上のどの地域よりも寒いばかりか、空気も薄く、乾燥した大地。「MARS ICE HOUSE」は、その点もきちんと考慮している。
建物自体が、太陽の光をフィリタリング。窓は耐食性に優れたETFE製で、放射線遮断ガスが充填されているし、着陸船とハウスの間に庭園を設け、酸素と食物を補給することも忘れていない。
・建設は十数年後!?火星移住の可能性に期待
そうは言っても、実際の建設はまだまだ先の話。2030年代の火星探索時に、ロボットを使って建築するというのが、現段階におけるNASAの計画らしいが、あくまで予定に過ぎない。
火星で暮らす夢が現実になるのか、それを知っているのは、十数年先の未来だけだ。
MARS ICE HOUSE