だが、カミソリは衛生上の問題からどうしても使い捨てになるため、ゴミ問題へとつながってしまう。
そんな人々の苦労と、ゴミ問題を解決しようと、Morgan Gustavsson氏とPaul Binun氏のチームが開発したのが、「Skarp Laser Razor」という、レーザーを使った次世代のカミソリだ。
・医療、美容レーザーの技術を応用
Gustavsson氏は、30年以上に渡って、医療、美容レーザー産業に携わってきた。氏は、1989年に“インテンス・パルス・ライト(Intense Pulsed Light)”という光エネルギーで毛根を弱らせる技術を発明。これは、今日でも美容分野での脱毛や皮膚治療などに用いられている技術だ。
これを使って、“レーザーカミソリ”をつくれないかと着想したのが2001年のこと。ただし、暗い色の毛に反応する光の波長は見つかっていたものの、薄い色やグレーカラーの毛には効果がなかった。
そこから研究を重ね、2009年にはついに、すべての色の毛に使える波長を発見した。
・特定の波長の光に反応する分子に着目
「Skarp Laser Razor」の開発チームでは、特定の波長を吸収する“クロモフォア(発色団)”という分子に着目。
“クロモフォア”は、人種、性別、年齢を問わず、人類なら誰でも保有している毛髪に含まれる分子構造。
この分子に特定の波長の光を照射して、皮膚表面の毛幹を瞬時に溶かし、毛を切断するという仕組みだ。
これなら、人によって異なる体毛の色に左右されることなく、どんな毛にも対応できる。
・肌への負担も少なく、スムーズな除毛
また、このカミソリはUVを発さず、皮膚への影響を与えないように低出力に抑えられているため、通常のカミソリのように皮膚を傷つけ、カミソリ負けのような合併症を引き起こす心配もないという。
・Kickstarterで目標額の10倍突破
現在、クラウドファンディングKickstarterで10月19日まで出資を受付中。目標額16万ドルのところ、すでに170万ドル以上の資金を集めているという、大変な人気ぶりだ。
気になる人は、チェックしてみては?
Kickstarter (Skarp Laser Razor)