・現状の数千倍、光の速さでデータ解析が可能に
この技術が実用化されれば、スーパーコンピューターは現状の数千倍の早さでデータ解析できるようになり、光の速さでデータ通信がおこなえるようになるという。
・電子の代わりに光子を用いる
従来、コンピューターのデータ解析には、ワイヤーで接続された領域において、電子の受け渡しをする手法が用いられてきた。
研究チームでは、電子の代わりとして光子(フォトン)に注目。独自の超コンパクトサイズのビームスプリッターを開発した。
・超小型スプリッターで、髪の毛の50倍も細い光のビームを生成
このスプリッターを使うことで、髪の毛の50倍も細い光のビームを生成することが可能になるという。また、スプリッター自体が非常に小型なので、1つのコンピューターチップ内に、何百万という数を設置することができるのが大きなメリット。
・1度電子に変換するプロセスが不要に
開発チームのRajesh Menon氏によると、通常は、送られてきた情報は電子に変換して、コンピューターに読み取らせる必要があるが、この変換には処理時間がかかり、ペースがスローダウンする原因となるという。
新開発のスプリッターを用いることで、電子に変換せず、すべてを光子の状態で処理できるようにするのが大きな目的。
・3年以内の実用化が目標
チームでは、少なくとも3年以内に、スーパーコンピューターや巨大なデータ解析センターなどに導入できるようにしたい意向だ。
将来的には、一般ユーザーにも身近なスマートフォンやタブレットなど、もっとスケールが小さいガジェットに活用されることも期待される。
・超速度の通信が実現、バッテリーのロスも少なく
光子から電子に変換するプロセスを省くことで、現在の常識を塗り変える超速度の通信スピードに加え、バッテリーのロスも削減することができるだろう。この未来的な技術の実現が待ち遠しいところ。
University of Utah beamsplitter