とりわけ、ダイヤが過密化する都市部では、ひとたび遅延が発生すると、その影響が広範囲にわたって波及するケースが少なくない。
・遅延の影響を自動でシミュレーション
スウェーデンの首都、ストックホルムの電車を運営するStockholmstågは、数学者Wilhelm Landerholm氏と共同で、電車の遅延による影響を予測するアルゴリズム「Commuter Prognosis」を開発した。
このアルゴリズムは、ダイヤのどこかで遅れが発生した場合、過去の運行データをもとに、各列車の各駅への到着時刻や遅延によるダイヤ全体への影響を、最長2時間先まで自動的に予測。
オペレーターは、この予測を活用することで、列車の増発や振替輸送など、遅延による影響を軽減するための措置を講じることができる。
また、一般の利用客がこの遅延予測を知ることができれば、交通手段や移動ルートを変更するなどして、混乱を未然に防ぐことができるだろう。
Stockholmstågでは、2015年内に、遅延予測情報をリアルタイムで閲覧できるスマートフォンアプリのリリースを予定している。
・ビッグデータ解析で公共交通機関のサービスレベルを向上?
Commuter Prognosisは、Stockholmstågで長年蓄積された運行データの解析から生まれた、ビッグデータ時代の予測ツール。
通勤電車のサービスレベルを向上する手段として、ストックホルムのみならず、世界各地でも応用できそうだ。